妊婦さん生卵をたべてはいけない?【看護師が解説】

妊娠中に、生卵を食べたいと思うことがありますよね。

卵かけご飯や、すき焼きのときに食べる卵など、美味しい食べ方がありますね。

でも生ものなので、妊娠中に食べてもいいかどうか気になるところです。

ここでは、卵に含まれる栄養素、妊娠中に生卵を食べても良いのか、食べるとどのような影響があるのかなどについてお話しします。

生卵はどういう食べ物か?

卵は、水分の他、多くは良質のはたんぱく質でできています。

その他は、カルシウムや鉄分、ビタミン類などの重要な栄養素が含まれており、卵1つでも栄養価の高い食品とされています。

卵白部分はほとんどがたんぱく質で、その他の栄養素は卵黄に含まれています。

カロリーは、60g(1個)で91kcalのカロリーがあります。

卵は、どのような栄養素を含むのかを見ていきましょう。

たんぱく質

筋肉や臓器を作る成分として重要です。

その他、たんぱく質は酵素、抗体、ホルモンの原料にもなります。

脂質

脂肪酸が主成分で、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸などがあり、身体に重要な栄養素です。

カルシウム

健康な骨と歯を作ります。

その他、血液の凝固や心機能、筋肉の収縮等にかかわる栄養素です。

妊娠中には特に必要な栄養素です。

鉄分

赤血球の中のヘモグロビンの成分で、身体中に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。

妊娠中には特に必要な栄養素です。

ビタミンA

皮膚や喉、鼻、消化器官などの粘膜を正常に保ちます。

ビタミンB12

葉酸と共に赤血球を作ることにかかわり、悪性貧血を防ぎます。

神経細胞の核酸やたんぱく質を合成します。

ビタミンD

カルシウムやリンの吸収を良くし、骨や歯への沈着を助けます。

血中カルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。

リン

骨や歯を作る。エネルギー代謝、脂質の代謝に重要な役割を果たしています。

ビタミンBグループの吸収を助けます。

妊娠中はいつでも避けたほうがいい?

生卵を食べるのは、どの妊娠時期でも禁止ではありません。

でも、どの妊娠時期でも食中毒という観点からみるとリスクがあります。

妊娠中に生卵を食べるのは、やめておいたほうが良いでしょう。

季節ごとに危険性が変わる?

サルモネラ食中毒では、「発生する時季は冬よりも夏の方が起こりやすい」という特徴があります。

卵は、代表的なサルモネラによる食中毒の原因となる食品です。

発育温度は、10℃以上です。

特に20℃以上になると増殖に拍車がかかります。

夏場は気をつけたほうが良いですね。

妊娠中に生卵を避けたほうがいい理由

妊娠中に、生卵を食べるのは避けたほうが良い理由を挙げました。

「妊娠中に卵を食べると赤ちゃんが卵アレルギーになる」といううわさがあるようですが、科学的な根拠が示されていません。

ですが、下記のようなリスクがありますので、注意してくださいね。

サルモネラ菌の食中毒

サルモネラ菌による食中毒になると下痢やおう吐によって、脱水症状を引き起こし、発熱する可能性があります。

赤ちゃんは高熱に弱いため、食中毒になるのは避けたいですね。

サルモネラ菌の食中毒は、健康な人もなりうるものです。

妊婦さんは、抵抗力が弱っていますので、充分に気をつけましょう。

下痢・おう吐

食中毒までひどくなくても、胃腸をこわしてしまう可能性があります。

妊娠中は、抵抗力が弱っているため、体調が悪くなりやすいのです。

下痢やおう吐は、体力を消耗します。

また、下痢やおう吐の刺激で子宮が収縮する可能性もありますので、注意が必要です。

卵を安全に調理して食べるための注意

卵を安全に食べるときの注意点をご紹介します。

ぜひ、参考にしてくださいね。

賞味期限を確認する

賞味期限の表示には、一般的に生で食べられる期限が記載されています。

できるだけ新鮮なうちに食べるようにしましょう。

買ったらできるだけ早く冷蔵庫へ入れる

卵の鮮度を保つためにできるだけ早く冷蔵庫に入れるようにしましょう。

目安は、10℃以下です。

洗わずに冷蔵庫へ

卵は、パックに詰められる前に「洗浄・殺菌処理」されています。

卵の表面を水で洗うと、殻に開いている小さな穴(気孔と言って1個に数千から数万前後ある)から雑菌などが入る可能性があると言われています。

気になる汚れは、拭き取るか、食べる直前に洗うようにしましょう。

卵を割ったら室温で放置しない

割った卵を室温でそのままにしていると、細菌が繁殖しやすくなります。

割ったらできるだけ早く食べましょう。

途中で料理をやめる場合は、冷蔵庫に保存し、また調理するときには充分に加熱してください。

食べる直前に割る

食べる直前に卵を割り、できるだけ早く食べるのが良いとされています。

また、卵黄と卵白を混ぜると細菌がより繁殖しやすいという報告もありますので、食べる直前、または調理する直前に割って混ぜるのがベストですね。

加熱

サルモネラ菌の食中毒を予防するため、75℃以上で1分以上、または65℃で5分間以上加熱してから食べるようにしましょう。

ゆで卵は、沸騰水で5分間以上加熱することが奨励されています。

加熱の目安は、卵黄と卵白が固くなるまでです。

ヒビに注意

特に、卵にヒビが入っている場合は、生で食べないようにしましょう。

細菌が混入している可能性があります。

75℃以上で1分以上、または65℃で5分間以上加熱するなど、しっかりを火を通せば食べられます。

手洗い

手についている細菌からの汚染を防ぐために、充分に手洗いましょう。

調理器具はきれいに

使用した調理器具・食器類はきれいに洗って、消毒することが奨励されています。

熱湯をかけるのもいいですね。

妊婦さんにとって安全な食事を心がける

普段から大事なことですが、妊娠中は特に気をつけたいポイントをまとめました。

何かと制限がある妊娠中ですが、赤ちゃんのためにも気をつけておきたいですね。

加熱する

妊娠中は、常に新鮮なものを選び、よく加熱されているかどうかを確認するようにしましょう。

妊娠中は、免疫機能が落ちていますので、なまものに限らず食中毒になったり体調をくずしたりしやすい状態です。

冷蔵庫を過信しない

冷蔵庫でも死滅せずに増えていく菌もありますので、冷蔵庫に入れていたから大丈夫と思わないようにしましょう。

そのためには、「早く食べること」「加熱すること」が大切です。

できるだけ早く食べる

「買ったらできるだけ早く調理(加熱)する」「調理(加熱)したものはできるだけ早く食べる」ことを
心がけましょう。

清潔にする

調理に使用する調理器具や調理者の手を清潔にしましょう。

手洗いはもちろん、「肉や魚などを調理するまな板は、生野菜を切るものとは別にする」「鍋や調理台、ふきんなどを清潔に使用する」ことも心がけましょう。

買い物には保冷剤と保冷バッグ

買った食品は、保冷剤や保冷バッグを利用して、できるだけ冷やして持って帰り、すぐに冷蔵庫へ入れましょう。

特に夏場は気をつけましょう。

まとめ

卵の栄養素、妊娠中に生卵を避けたほうが良い理由、生卵を食べるときの注意点などについてお話しました。

妊娠中は、生卵は禁止ではありません。

でも、食中毒の観点から考えると、生卵に限らず他のものもできる限りなまで食べるのは控えたほうがいいですね。

何かと制限がある妊娠中ですが、あまりストレスを感じないように過ごせるといいですね。

参考文献

  1. 東方微生物病研究所 「卵とサルモネラについて」
  2. 公益社団法人 日本食品衛生協会 「卵の衛生的な取扱いについて」