妊婦さんが牡蠣を食べるときの注意は?【看護師が解説】

妊娠中は、赤ちゃんのために栄養を摂ってあげたいし、色々なものを食べたいですね。

妊娠中には、色々なことに制限があったり、注意が必要だったりします。

「妊娠中においしい牡蠣が食べたくなった!でも、妊娠中に食べてもいいのかな」と気になっている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、妊娠中に牡蠣を食べてもいいのか、どんな調理法がいいのか、生牡蠣も食べられるのかなど、牡蠣に関する情報をお伝えします。

ぜひ、参考してくださいね。

牡蠣とはどういう食べ物か?

牡蠣は二枚貝の一つで、栄養豊かな食品です。

どのような栄養が含まれているのか見てみましょう。

カロリー

小さめの牡蠣(殻抜き)で、16g10kcalです。

大きめの牡蠣(殻抜き)で、20g12kcalです。

鉄分

牡蠣は鉄分が豊富で、100g当たりの鉄分量はうなぎの2倍もあります。

タウリン

タウリンは、アミノ酸の一種です。

血液中の悪玉菌を善玉菌にかえる働きや、肝機能を高める作用があります。

牡蠣100g中にタウリンは1130mg含まれています。

亜鉛

亜鉛を必要とする酵素が200種類以上あります。

発育を促したり、傷の回復を早めたりするなどの働きがあります。

牡蠣は、亜鉛が豊富に含まれていることで知られています。

100gの牡蠣には、亜鉛が13.2mg含まれています。

厚生労働省では、妊娠中の亜鉛の必要量は、1日に10mgとしています。

牡蠣を3個ほど食べると、もう1日分の亜鉛が摂れてしまうのです。

妊娠中はいつでも避けたほうがいい?

牡蠣は、妊娠中にいつでも食べて大丈夫です。

ただし、充分に火が通ったものを食べてくださいね。

生牡蠣は、ノロウィルスなどの危険がありますので、食べないようにしましょう。

妊娠中に牡蠣を避けたほうがいい理由

妊娠中に牡蠣を食べても大丈夫ですが、生牡蠣は食べないようにしましょう。

牡蠣の他にしじみなどの二枚貝には、ノロウィルスが蓄積され多量に含まれている可能性があります。

妊娠中は、免疫力が弱まっていますので、火が通っていても食あたりや下痢になることもありますので、注意が必要です。

ノロウィルスについて、症状や治療、予防方法についてお話しましょう。

潜伏期間

潜伏金はおおよそ24−48時間です。

症状

主な症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢で、1−2日続いて回復していきます。

感染しても発症しないことや、風邪症状のような場合もあります。

後遺症は報告されていません。

治療

抗ウイルス剤はありませんので、対症療法になります。

下痢と嘔吐によって、脱水になりやすいので水分補給が重要です。

脱水症状がひどい場合には、点滴治療が必要なことがあります。

下痢止めは、回復を遅らせる可能性がありますので、自己判断で使用しないことが望ましいとされています。

予防

ノロウィルスによる食中毒の可能性がある二枚貝などの食品は、中心部が85−90℃で90秒以上の加熱が望ましいとされています。

ただ、ウイルスは活性化を阻止するためには、加熱温度と時間以外にウィルスの数なども関係しますので、確実に安全な状態にするには、もっと厳しい加熱条件が必要です。

また、手洗いをすることによって、手に付着しているノロウィルスを減らすことができます。

調理の前、食事前、トイレに行った後など、きれいに手を洗うようにしましょう。

爪も短く切っておくといいですね。

赤ちゃんへの影響

ノロウィルスが赤ちゃんに影響を与えるケースは報告されていません。

ただ、激しい下痢や嘔吐が、お腹の張りを誘発することが考えられます。

あまりにもお腹の張りが続いたり、痛いと感じるときには、医師に相談しましょう。

牡蠣の調理方法

牡蠣は、色々な調理方法で食べることができます。

  • 生のまま
  • フライ
  • バター焼き
  • 網焼き
  • 蒸し料理
  • 鍋の具

食べてもいい調理方法

牡蠣をどのように調理したら食べられるようになるのかをお話します。

妊娠中は、生牡蠣は食べないようにしましょう。

ノロウィルスの汚染の恐れがある牡蠣などの二枚貝は、中心部が85−90℃で90秒以上の加熱が望ましいとされています(参考文献1)。

ただ、ウイルスの活性化を阻止するためには、加熱温度と時間以外にウィルスの数なども関係しますので、確実に安全な状態にするには、もっと厳しい加熱条件が必要です。

カキフライ

油で揚げて牡蠣フライにしましょう。

油で揚げると、中心部まで火が通りやすくなりますね。

焼く

バター焼きや網焼きでも大丈夫ですが、中心部まで火が通っているかどうか、食べる前に半分に切って確認した方が良いでしょう。

中が生焼けだと、ウイルスが残っているかもしれません。

蒸す

蒸し料理にするのもいいですね。

蒸す時間が短いと、中心部まで火が通っていないことも考えられますので、食べる前に切って確認してみましょう。

煮る

鍋の具として煮て食べるのもおいしいですね。

他の食材と一緒に、何分かグツグツ煮ると火が通るでしょう。

食べてはいけない調理方法

避けたほうが良い食べ方は、生で牡蠣を食べることです。

特に妊娠中は、火を通しても、生の部分が残っていると食中毒のリスクがありますので、注意しましょう。

牡蠣を食べるときの注意点

牡蠣を食べるときの注意点がありますので、ご説明しましょう。

信頼できるお店で購入する

牡蠣は、貝毒という自然の毒を持っていることがあります。

加熱しても貝毒は残りますので、危険です。

店で売られている牡蠣は、貝毒の検査が行われています。

基準値を超える貝毒がある牡蠣は、店に出ることはありません。

貝毒を避けるためにも、信頼できる店で購入するようにしましょう。

よく加熱する

ノロウィルスは、加熱によって活性を止めることができます。

中の方まで加熱されているかどうか確認してから、食べるようにしましょう。

新鮮なものを選ぶ

牡蠣に限らずですが、食べ物はできるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。

牡蠣が傷んでいると、よく加熱しても食あたりを起こすかもしれません。

早めに調理・早めに食べる

買ってきたら早めに調理して、食べるようにしましょう。

時間がたつと雑菌が繁殖する可能性があります。

たくさん食べすぎない

たくさん食べ過ぎると、栄養が偏る可能性がありますし、カロリーオーバーになる可能性があります。

妊婦さんは、牡蠣は3つくらいにしておくのが良いとされています。

妊婦さんにとって安全な食事を心がける

安全な食事を心がけることは、妊娠中に限らず普段から大事なことです。

ここでは、妊娠中には特に気をつけたいポイントをまとめましたので、参考にしてくださいね。

安全の確認

妊娠中に食べても良いもの、食べてはいけないもの、食べるときに注意が必要なものなどがあります。

どんなものを避けた方が良いのか、注意事項を確認しておきましょう。

基本的に、火が充分に通ったものを選びましょう。

新鮮なものの選択

新鮮なものを選ぶようにして、よく加熱してあるかどうかを確認するようにしましょう。

妊娠中は、免疫力が低下していますので、食中毒を起こしやすい状態であることを覚えておきましょう。

充分な加熱

食べるものが、充分に加熱してあるかどうか確認するようにしましょう。

妊娠中は、抵抗力が弱っていますので、熱を通したものを食べたとしても、胃腸の調子が崩れたり体調が悪くなったりしやすい状態です。

料理後は早く食す

料理したものは、できるだけ早く食べるようにしましょう。

時間がたってしまうと、傷みやすくなります。

「買ったらできるだけ早く料理(加熱)する」「料理(加熱)したものはできるだけ早く食べる」ようにしましょう。

時間がたったものは処分

料理してから時間がたってしまったり、食べなかったりしたものは、思い切って処分しましょう。

特に梅雨の時期や夏には、温度や湿度が上がるため、食べ物が傷みやすくなります。

冷蔵庫の過信に注意

リステリア菌など、冷蔵庫に保存していても繁殖するものもありますので、注意が必要です。

「冷蔵庫に入れていたから大丈夫」と思わず、早めに調理して食べましょう。

調理器具の清潔

調理に使用する調理器具や調理者の手を清潔に保ちましょう。

手を洗うことはもちろんですが、「肉や魚などを料理するまな板や包丁は、生野菜に使うものとは別にする」「鍋や調理台、ふきんなどを清潔に保つ」ことも心がけるといいですね。

念のために熱湯消毒をするといいですね。

保冷剤と保冷バッグの利用

買った食品は、保冷剤や保冷バッグを使って、冷やして持って帰って、できるだけ早く冷蔵庫へ入れるようにしましょう。

まとめ

妊娠中の牡蠣について様々な情報をお伝えしました。

妊娠中には、生牡蠣は食べないようにするのが良いですが、しっかりと火を通した牡蠣は、妊娠中でも食べて大丈夫です。

その他、信頼できる店で購入したり、新鮮なものを選んで早めに調理して食べたりできるといいですね。

様々な制限がある妊娠中ですが、注意事項を守れば食べられるものがたくさんあります。

妊娠中も楽しくおいしく食事ができるといいですね。

参考文献

1. 厚生労働省 「ノロウィルスに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000209627.pdf