妊婦検診の内容と時期はいつ?【正看護師が解説】

妊娠検査薬

妊婦検診は、胎児や妊婦の健康状態を定期的に観察して、順調に育っていっているかをみていくためのものです。

赤ちゃんや妊婦の健康状態をきちんと把握することができ、また異常が合った時はいち早く気づくことができます。

それは妊婦や胎児の命を助けることにつながります。

初めての妊娠や出産は不安になりますが、妊婦検診にいくことで相談することができます。

多くのメリットのある妊婦検診ですが、具体的にどういったことをするのか、どこで受けたらいいのかなど詳しく紹介していきたいと思います。

妊婦検診の前に

妊婦検診を受ける前には、まずは手続きをする必要があります。それについて説明していきます。

妊婦検診の前に

まずは、妊娠したかも、と思ったら妊娠を確定するために産婦人科にいきます。

そこで胎嚢が見えて、赤ちゃんの心拍が確認できたら母子手帳をもらいにいく目安になります。

そこで医師や看護師から次回の検診には母子手帳をもってきてくださいという説明があると思います。

大体妊娠8~12週にはもらうことができます。住んでいる市役所の母子手帳を交付している場所で受け取ることができます。

つわり症状がでて、外出が難しい場合は代理人が受け取りにいくことも可能です。

市区町村によっては、病院から妊娠証明書を提出しなければならないところもあるので、確認をしておきましょう。

妊婦検診はどこで受ける?

妊婦検診は自分で選んだ病院で受けることができます。特に指定はありません。

自宅や職場の近い所など、都合がよい場所を選んでかまいません。

しかし、どの婦人科も必ずしも分娩を取り扱っているとは限りません。

妊婦検診のみで、分娩の場合は他の病院に予約するといった場合もあるので、きちんと下調べをしておきましょう。

妊婦検診と分娩を同じ病院でと考えている場合は、自宅から車で一時間以内の場所をおすすめします。

いざ陣痛がきて病院に向かう時のことを考え、余裕をもって移動できる病院を選ぶようにしましょう。

妊婦検診の費用は?

妊婦検診は病気ではないので、保険適用外となっています。

そのため、一回の妊婦検診で1万超えすることもあり、大きな負担となります。

そのため現在は費用の一部は、妊婦健診補助券で賄えるようになっています。

これにより妊婦検診の基本検査が補助され、半分程度の負担で受けることができます。

補助券の枚数や費用については市区町村によってサービス内容は異なるので、住んでいる市区町村で確認をしましょう。

助成券は基本一度のみの発行となりますので、なくさないようにきちんと保管、管理しておきましょう。

また、母子手帳をもらえるまでは、助成が受けられません。

母子手帳をもらうまでの検診は尿検査、血液検査などで1万以上かかるところもあります。

そのため母子手帳をもらえる前の検診は、少々多めにお金を持っていると安心です。

常にする妊婦検診の内容

実際に妊婦検診はどういったことを検査するのでしょうか。妊婦検診で常に行う検査について紹介します。

尿検査

まず病院につくと尿検査を行います。

尿検査をすることで、尿たんぱくや尿糖が尿中に出ていないかチェックします。

尿糖が出ていると、妊娠糖尿病が疑われます。尿蛋白がでると、妊娠高血圧症候群が疑われます。

どちらも重要な指標なので必ず行う検査の一つです。一度尿たんぱくが出たくらいでは問題ありませんが、ずっと続くようなら治療の対象となることがあります。

またつわりがひどい場合は尿中にケトン体がでるので、つわりの重症度をみるためにも大切です。

体重測定

妊娠中の体重の経過をみていきます。つわりの時期は一時的に減少することがありますが、その後は徐々に体重が増加していきます。

妊娠前BMI18.5未満の人は9~12キロ、18.5~25未満の人は7~12キロ程度の体重増加が良いとされています。

あまりに体重増加がみられると、妊娠中毒症の恐れや妊娠高血圧症候群の恐れがあるので、栄養指導を受ける場合があります。

血圧測定

血圧も妊娠高血圧症候群の大切な指標となるので、毎回必ず測定します。

妊娠高血圧症候群は何らかの理由で高血圧になり、血管障害など起こし時には母子共に危険な状態になる可能性があります。

妊娠中の血圧管理はとても大切になってきます。一般的に140/90mmHg以上で高血圧と診断されます。

診察

診察では、体調の変化はないか、つわりの時期ならつわり症状はどうか、なにか変わったことはないかといったことの問診をうけます。

また何か心配なことがあればこの時に相談することができます。

腹囲、子宮底長

妊娠中期から測定します。これにより羊水に異常はないか、太りすぎてはいないかなどのチェックをします。

しかし測定する人によって誤差が生じるので、行っていない病院もあります。

むくみ

足の甲やすねあたりを押して、むくみがないか確認します。

妊娠中はむくみやすいですが、むくみだけでなく尿たんぱくが出ている場合は、妊娠高血圧症候群などの病気がある場合もあるので、必ず確認します。

超音波検査

妊娠初期は膣から、中期以降はお腹の上から胎児の様子を確認していきます。

これにより発育や向き、心拍、胎動、胎盤の位置、羊水などさまざまなことがわかります。

保健指導

病院によっては、保健指導を行っているところもあります。

保健指導では、体重増加の相談や食事指導、妊娠中の過ごし方や分娩へ臨む心構えなどのアドバイスをくれます。

初めての妊娠で分からないことばかりの人には、とても頼りになる存在です。

また、特別に保健指導を取り扱っていない所でも、助産師や看護師に相談できるところが多いです。

時期によっておこなう妊婦検診の内容

妊婦検診では、時期によって特別に行う検査があります。時期と検査内容について説明していきます。

子宮がん検診

妊娠初期(4~12週)に子宮頸がんの検査を行います。

ブラシなどの器具で子宮頚部の粘膜を採取し細胞診を行います。

子宮頸がんの検査は母子手帳を交付された妊婦全員が受けることができます。助成券を使えるので、無料で受けることができます。

採血

妊婦検診を通して、初期、中期、後期と合計3回ほど採血を受けることが多いです。

貧血や栄養状態、感染項目、血糖などの項目を中心にチェックされます。

膣分泌検査

妊娠24~35週あたりにおりものを採取します。クラミジアやカンジダ、B群溶血性連鎖球菌という細菌にかかっていないか検査を行います。

GBS陽性の場合、出産時に赤ちゃんに感染してしまう可能性があるため、事前に検査を行います。

NST

予定日が近くなると、赤ちゃんが元気に動いているか確認するために、心拍数を測定します。

骨盤X線検査

予定日近く、または予定日を過ぎても胎児が下がってこない場合は、妊婦の骨盤のレントゲンを撮る場合があります。

希望すると受けられる妊婦検診

また基本的な妊婦検診のほかに、希望すれば受けられる検診を紹介します。

羊水検査

羊水検査は胎児の染色体に異常がないか調べる検査です。

超音波検査で何らかの異常が見られて、羊水検査をすすめられる場合もありますが、羊水検査自体を取り扱っていない産婦人科も多くあります。

また羊水検査は、妊娠初期にしかできない検査なので、希望する場合は早めに医師に相談し、羊水検査を行っている病院に紹介をしてもらう必要があります。

助産師検診

病院によりますが、助産師検診を取り入れている病院があります。

胎児の発育に問題がなければ、助産師が検診を行ってくれます。

通常の妊婦検診と違い、助産師が話を聞いてくれたり、じっくりと超音波を当ててゆっくり胎児を観察することができたりします。

また食事指導のアドバイスや今後の生活についての相談にのってくれるなど多くのメリットがります。

3D、4D超音波検査

胎児がある程度大きくなると、超音波検査で内部の詳しい様子がみられるようになります。

最近の産婦人科では4D超音波機械を取り入れているところも多く、胎児のリアルな様子を見られるところがあります。

希望者の場合追加料金で希望することができます。

妊婦検診のスケジュール

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妊婦検診に行く回数は妊娠周期によって変わってきます。

何回検診に行く?

妊娠してからの妊婦検診の回数は、おおよそ14回程度になります。

妊娠超初期で検診に行った場合は、きちんと妊娠が確定するまでに何回か産婦人科に行くので、この回数より多くなります。

8~23週(妊娠3~6ヶ月)

この時期は4週に1度のペースで妊婦検診があるので、合計4回です。

一般的な検査のほかに、超音波検査、子宮がん検査、膣培養検査などがあります。

24~35週(妊娠7~9ヶ月)

この時期になると2週に1度のペースで妊婦検診があるので、合計6回です。

この時期は体重増加がしやすい時期なので、保健指導での食事指導を受ける場合もあります。

36週(妊娠10ヶ月)~出産

この時期になると1週間に1度のペースになるので、合計4回ほどになります。予定日を過ぎた場合は、妊婦検診の回数も増えます。

決められた検診以外にも、何か変わったことや体調がすぐれないなどのことがあればいつでも受診することができます。

風邪などひいた場合も、妊娠中だと内科では薬を処方してくれないところが多いので、まずはかかりつけの産婦人科にかかって相談する方法もあります。

まとめ

妊婦検診について紹介していきました。妊婦検診は、胎児と妊婦の身体をどちらも守るためにとても大切なものです。

妊娠は自分の身体で起きていることですが、専門家ではないとわからないこともたくさんあります。

病院では産後の生活についての相談もできるので、不安な気持ちを抱えている人の場合にとっても、心の支えとなります。

体調がすぐれないと、外出するのもおっくうになってしまいますが、健康状態をチェックし、異常を未然に防ぐためにもかかさず検診に行くようにしましょう。

どうしても辛い場合は、パートナーに連れて行ってもらうなどして、対処できるようにしましょう。