妊娠線って何?原因や予防など9つのこと【看護師が解説】

妊娠線

妊娠線とは

妊娠線とは、大きくなるお腹の皮膚がその成長についていけないために、皮膚に赤紫色の亀裂ができることです。

スイカの皮のようなしま模様のこともあり、でき始めは赤紫色に見えます。
赤紫色に見えるのは、毛細血管が透けているためです。

妊娠で新たにできたものを新妊娠線、分娩後に退色して白っぽくひだになったものを旧妊娠線といいます。

妊娠線はなぜできるのでしょうか

まず、皮膚の構造をお話しましょう。
皮膚は、外が側から、表皮・真皮・皮下組織の三層に分かれています。

皮膚の表面の表皮は、伸縮性があります。
内部の真皮と皮下組織は弾力性が少ないため、急激な皮膚の伸展についていけないので、亀裂が入ってしまうのです。

亀裂が入ったところから毛細血管が透けて、赤紫色の線のように見えるのです。

また、妊娠中にはステロイドホルモンの分泌量が増えます。このホルモンは、皮膚のターンオーバーを抑える作用があります。
ということは、皮膚がスムーズに新陳代謝を繰り返すことが難しくなります。

そうすると、弾力も失われてしまって亀裂が入りやすくなるということなのです。

妊娠線は、「妊娠によって皮膚急激に伸ばされれること」だけではなくて、「皮膚のターンオーバーが抑えられること」が原因として考えられます。

妊娠線ができやすい部位

妊娠 妊婦

亀裂が入る部位は個人差があります。
多くの妊娠線は、妊婦さんの腹部、乳房、臀部の皮膚などにできます。

腹部はもちろん、乳房や臀部も妊娠中に大きくなる部位なのです。
赤ちゃんを守るために、腹部や臀部には脂肪が付きやすくなります。

いつからできるのでしょうか

妊娠後半期にできる方が多いです。
赤ちゃんがどんどん大きくなってくる中期から後期には、皮膚にも負担がかかります。

その時期に、冬などの乾燥している環境だと、より妊娠線ができやすくなります。
でも、夏だからと言ってできないわけではありません。

妊娠線は、ホルモンの影響で皮膚のターンオーバーが抑えられることが原因の一つでしたよね。
予防する良い方法を後でご紹介します。

妊娠線ができやすい方とは

妊娠線ができやすい方とは以下のような方になります。

  1. 小柄な方
  2. 多胎妊娠の方
  3. 皮膚が弱い方
  4. 高齢妊娠の方

個別に解説していきます。

小柄な方

小柄で痩せている方は、もとから体全体の皮膚面積が小さいため、普通の体型の方よりも皮膚が引き伸ばされてしまいますね。

多胎妊娠の方

多胎妊娠とは、双子や三つ子の妊娠のことをいいます。赤ちゃんが一人よりも、二人、三人の方がその分皮膚が伸ばされますので、妊娠線ができやすくなります。

皮膚が弱い方

皮膚が弱い方だと、その分皮膚が引き伸ばされた時にダメージを受けやすいですね。
妊娠中は、アトピー性皮膚炎などがひどくなることもありますので、皮膚の弾力性が弱くなって、皮膚が伸びにくくなる可能性もあります。

乾燥肌の方も、弾力性が弱いので、皮膚が伸びが悪くなります。

高齢妊娠の方

高齢妊娠の方は、若い方に比べて皮膚の弾力性が失われやすいので、その分ダメージを受けやすいといえます。
とはいっても高齢妊娠の方は必ず妊娠線ができるとは限りません。

それが入ればでは、どのような予防策があるのでしょうか。
大切なポイントをお話しましょう。

予防のためにできること

妊娠線ができやすい条件に入っている方はもちろん、そうでない方もこれからご説明する対策を参考にしてみてくださいね。

  1. 保湿をすること
  2. 健康な皮膚を保つために栄養を摂ること
  3. 余分な体重増加を防ぐための食事と運動

保湿をすること

妊娠 妊婦

皮膚は乾燥している状態だと、伸びにくく亀裂が入りやすくなってしまいます。
皮膚の伸びをよくするために、オイルやクリームでマッサージをすると良いですね。

ホルモンの影響で、皮膚のターンオーバーが抑えられることによって、妊娠線ができやすくなることをお話しましたね。

保湿をしていても、妊娠線は完全に予防できるとは限りません。
でも、保湿ケアをして皮膚にできる限り良い環境を作りましょう。

そうすると、ダメージを受けにくい皮膚を作り、妊娠線の予防につながります。

保湿することの注意点

ここで2つの注意があります。

1つ目は、妊娠中皮膚が荒れたり、湿疹ができたりしやすくなります。
もし、皮膚トラブルがある場合は、無理をして手持ちのオイルやクリームを使わずに、医師に相談しましょう。

2つ目は、妊娠中はおなかをなで回すと子宮が収縮すること(お腹が固くなること)があります。
特に妊娠中期から後期にかけて、お腹が固くなりやすくなりますので、その場合は妊娠線予防のマッサージはあまり積極的にしないほうがいいことがあります。

保湿のオイルやクリームをさっと塗るだけにしたほうが無難です。

健康な皮膚を保つために栄養を摂ること

野菜

まずは、栄養を吸収する腸内環境を整えるために、栄養素を吸収する腸をきれいにしましょう。

腸内環境を整える

そのためには、食物繊維や発酵食品がいいですね。

食物繊維

ごぼう・きのこ類・豆類など

発酵食品

納豆・みそ・塩こうじなど

血行を良くする

次に、皮膚への栄養を送るために血行を良くしましょう。
腸で吸収した栄養素は動脈血によって運ばれます。

いらなくなった老廃物は静脈血によって回収され、排泄されます。
これら栄養素を老廃物の輸送を担う血液がスムーズに流れるようにすることが大切なのです。

血液の循環が低下する原因は、女性の場合、冷えや筋肉量の低下などがあります。
これらを改善するための栄養素が鉄分とビタミンEなのです。

鉄分

レバー・牛肉・アサリなど

ビタミンE

かぼちゃ・赤ピーマン・アボカドなど

ターンオーバーを正常にする

最後に、皮膚のターンオーバーを正常にするようにしましょう。
腸内環境が整え、血行が良くなると皮膚に有効な栄養素が活きてきます。

皮膚のターンオーバーを正常にするために摂りたい栄養素は、たんぱく質、亜鉛、ビタミンAとビタミンCです。

たんぱく質

肉類・魚介類・大豆製品・乳製品など

亜鉛

牛肉・たらこ・いわし・ごまなど

ビタミンA

レバー・モロヘイヤ・人参・タラなど

ビタミンC

パプリカ・ブロッコリー・キウイ・いちごなど

余分な体重増加を防ぐための食事と運動

妊婦 運動

余分な体重増加を防いで、余分な脂肪がつかないようにしましょう。
そうすることで、皮膚に負担がかからず妊娠線が出やすい状態を作らないようにするのです。

現在、妊娠中の体重増加範囲の目安は、妊娠前のBMIに基づいて決められています。

BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例えば、身長が158cmで妊娠前の体重が52kgの女性の場合、52÷1.58÷1.58=BMI20.8となります。
普通体型で、妊娠中の体重増加範囲は、7−12kgとなります。

妊娠中の体重増加範囲

  • やせ 18.5未満 9ー12kg
  • 普通 18.5ー25.0未満 7ー12kg
  • 肥満 25.0以上 医師に相談

これが妊娠中の体重増加の目安です。
やせている方でも12kgまでが理想なのですね。

これ以上体重が増えると、その分お腹や臀部にも脂肪がついて皮膚が引き伸ばされ、妊娠線ができやすい状態になりますよね。

妊娠線予防のためには、適度な体重増加を目指しましょう。

食事と運動の注意点

ここで一つ注意です。
適度な運動は必要ですが、妊婦さんは運動では体重のコントロールはできません。

なぜかというと、体重をコントロールできるほど動くことができないからです。

妊娠線の予防と対策

予防できる?

妊娠線の予防は、「妊娠線ができやすくなる妊娠後半期からでいいかな」または「お腹が目立ってからでいかな」と思っている方がいるかもしれませんが、妊娠初期からケアするのがおすすめなんです。

なぜかというと、皮膚は1回や2回保湿したくらいでは、それほど変化しないからです。
柔らかく、弾力性のある皮膚にするためには、地道に保湿をするのが良いでしょう。

妊娠線ができたら?

妊娠線ができてしまっても、今以上に増やさないようにこれまでの予防のためにできることを続けていきましょう。

保湿をすること、健康な皮膚を保つために栄養を摂ること、余分な体重を増やさないようにすることなどの予防策を続けてくださいね。

妊娠線は消える?

出産後に伸ばされた皮膚がもとに戻って時間が経つと、妊娠線は白っぽく見えて目立ちにくくなります。
妊娠線は一度できたら消えることはありません。

これを、子どもを産んだ証拠や勲章だと思って懐かしむ方もいます。

まとめ

妊娠線

妊娠線に関しては、皆さん気になるところだと思います。
予防のために保湿や栄養を摂ることなど、できることをやってみましょう。

これらは自分の身体にも赤ちゃんにも良いことです。
皆さんの身体と赤ちゃんが健やかに過ごせるといいですね。