妊娠中の性行為は可能なの?【看護師が解説】

妊娠すると、赤ちゃんのことを中心に考えることが多く、何かと気を遣いますよね。

妊娠と同時に性行為がなくなるカップルが多いのも事実です。

「妊娠中も性行為は大丈夫なのかな」「赤ちゃんへに悪い影響はないのかな」と悩みつつ、性行為ができないカップルも多いかもしれません。

性行為がなくても夫婦の良好な関係性は保つことができますが、妊娠中も夫婦のコミュニケーションは大事なことです。

ここでは、妊娠中に性行為をしても大丈夫なのか、できるならないつからいつまでかなどの妊娠中の性行為に関する疑問にお答えします。

夫婦のコミュニケーションのために参考にしてくださいね。

妊娠中の性行為

ここでは、妊娠中の性行為についての疑問にお答えします。

性行為はできるの?

結論からいうと、妊娠中の性行為は可能です。

妊娠経過が順調である場合は、注意事項を守れば大丈夫です。

時期はいつごろまでできるの?

妊娠初期

医師から特別に指摘されていることがなければ、妊娠初期の性行為は問題ありません。

でも、妊娠初期は、ホルモンバランスが不安定で、つわりや下腹部の違和感などを感じやすい時期です。

以前は、妊娠初期の性行為が流産の原因になる可能性があると考えられていましたが、様々な研究の結果、現在では、妊娠初期の流産は主に胎児側に原因があるとされています(参考文献1)。

この時期は、体調が悪いことが多いため、性行為に気分が向かないこともあるでしょう。

そんなときは無理をしないようにしましょう。

妊娠中期

妊娠中期は一般的に安定期とされ、医師から指摘されている問題がなければ性行為は可能です。

様々な合併症を引きこす時期でもありますが、何もなければ大丈夫です。

妊娠後期

妊娠後期から出産までも特別に禁止はされていません。

ただ、おなかが重くなることで、身体への負担が増してきますので、充分に考慮して無理のないようにしましょう。

また、性行為をするにあたっての注意事項をまとめていますので、それを守るようにしてくださいね。

流産や早産のリスクは?

性行為による流産や早産のリスクや感染症について気になりますね。

それぞれについて説明しましょう。

流産や早産

性行為によって、流産や早産のリスクが高まるとのうわさがあるようです。

妊娠経過が順調で、医師から特別に注意をされていなければ性行為は可能です。

しかし、毎日診察を受けているわけではありませんので、絶対大丈夫ともいい切れません。

出血や腹痛、お腹の張り、破水などの症状があるときには、早めに受診しましょう。

精液中には子宮の収縮を増強させるプロスタグランディンが含まれています。

子宮収縮を促したり、子宮頚管を軟らかくする作用がありますので、注意が必要です。

必ずコンドームを使用するようにしましょう。

感染症

妊婦さんは、抵抗力は低下していますので、感染症にかかる可能性が高くなります。

性行為によって、感染症になる可能性もゼロではありません。

コンドームを使うようにしましょう。

赤ちゃんへの悪影響

赤ちゃんは、羊水の中に浮かんでおり、卵膜と子宮に包まれて何重にも守られています。

性行為によって、出血や破水の可能性は否定できませんが、直接赤ちゃんを傷つけるようなことはありません。

妊娠中の性行為に関する注意

コンドームを使用したり、無理のない体勢を考慮したりと、いくつかの注意事項がありますので説明しましょう。

 

コンドームの使用

抵抗力が弱まっているため、妊娠中は様々な感染症にかかりやすくなっています。
また、精液中にはプロスタグランディンが含まれています。

プロスタグランディンは、子宮を収縮作用がありますので、性行為のときにはコンドームを使用しましょう。
ママと赤ちゃんを守るために重要なことです。

コンドームの選び方について

体勢

ママに負担がかかる無理な姿勢での性行為はやめましょう。

ママが仰向けになる正常位は、妊娠中期から後期には血圧が低下する(仰臥位低血圧症候群)可能性がありますので危険です。

ママが横向きになる体勢だと、比較的無理がないでしょう。

痛みを感じるかも

妊娠中は、粘膜や皮膚が敏感になっています。

乳首や外陰部に痛みを感じたり、出血したりすることがあります。

無理しないように注意が必要です。

万が一、出血したときには早めに受診しましょう。

挿入が深くならないように

妊娠中は、膣内の粘膜や子宮口付近は出血しやすい状態になっています。

あまり挿入が深くなったり、激しくなったりしないようにしましょう。

長い性行為はしない

性行為が長くなると身体がつらくなったり、おなかが張っても途中で休めなかったりするかもしれませんね。

あまり無理しないようにしましょう。

無理はしない

無理な性行為をしないようにしましょう。

気持ちが向かない、身体がつらいなど、理由は様々だと思います。

性行為を控える症状

下記のような症状があるときには、性行為はやめておきましょう。

  • 出血
  • お腹が張りやすい
  • 腹痛
  • 子宮頚管が短い
  • 子宮口が軟らかいまたは開きかけている(開いている)
  • 切迫流産や切迫早産の診断を受けている
  • 前置胎盤などの合併症
  • 多胎妊娠(双子など)
  • 安静にするように指導されている

受診

妊娠中に性行為をすると、出血や破水する危険があります。

もし、そのような症状がある場合は、早めに受診しましょう。

そして、恥ずかしがらずに性行為をしたことを医師に話ししてくださいね。

原因がわかれば、対処方法もしやすいです。

したくない時にはしない

ママが性行為をしたくないと思ったら、パパにきちんと伝えましょう。

おなかの中で赤ちゃんを育てているママは、たとえ健康体であっても妊娠経過に問題がなくても、やっぱり身体には負担がかかっているものです。

また、赤ちゃんを心配する気持ちやホルモンによる気分の変化もあります。

パパが嫌いになったわけではないこと、気持ちが性行為に向かないことなどを冷静に話しましょう。

夫婦の時間を大切に

妊娠中の夫婦のコミュニケーションを大切にするために、お互いの理解を深めたり、性行為以外のコミュニケーションを考えてみたりすることもいいでしょう。

一緒に妊婦健診へ

男性は、妊娠に関してよくわからないというのが本音ではないでしょうか。

また、男性は、妻の妊娠中には赤ちゃんを産み育てるということに関心が向きにくいのが現状です。

妻が妊娠しても男性は身体の変化がないこと、気持ちの変化もあまりないこと、様々な保健指導を受ける機会が少ないことなどを加味すると、仕方のないことかもしれません。

パパも妊婦健診や両親学級などに一緒に行って、医師や助産師のアドバイスを一緒に聞けるといいですね。

妊婦健診に一緒に行けないときには、赤ちゃんの様子や「今日はこんな話があったよ」と、もらったアドバイスなどについて話ができるといいですね。

理解を深めるために

気持ちの行き違いからケンカになってしまうこともあります。

妊娠中のパパの浮気も気になるところですが、身体や気持ちの変化の話を冷静に話して、性行為のことも拒否感を強く出さないようにできるといいですね。

妊娠初期から妊娠や出産について一緒に知識を深めたり、お互いをいたわったりして、理解し合えるのが理想です。

妊娠期間中も大切で貴重な夫婦の時間です。

夫婦で赤ちゃんの誕生を楽しみに待てるといいですね。

性行為以外のこと

妊娠中に、改めて性行為やそれ以外のコミュニケーションの方法について話すのは、難しいもしれません。

でも、機会があれば、焦らずに少しずつ夫婦で話してみましょう。

性行為以外にも夫婦の関係を良好に保つ方法はあります。

夫婦で仲良く過ごせる時間は、赤ちゃんにとっても幸せな時間だと思います。

性の悩みに関して詳しくはこちら

まとめ

性行為について、赤ちゃんやママへのリスクや注意事項などをお話しましたが、いかがでしたか?

妊娠中は性行為ができないと思っていたという方も多いかもしれませんが、妊娠経過を考慮して、注意事項を守れば大丈夫です。

妊娠中も夫婦の関係性が深まる時間がもてるといいですね。

参考文献
1. 医療情報科研究所編集(2009)『病気が見える』vol.10 産科(第2版)メディックメディア(P81)