妊婦健診で行う検査について

妊婦 病院 検診 問診

妊婦健診は体重測定や尿検査など毎回行う検査と、血液検査や内診など必要に応じて行われる検査があります。
検査の数が多いので必要性がわからない時は、主治医にしっかり聞き、納得した上で受けましょう。

また心配事があり検査を受けたいときも、主治医と相談し検査を受けましょう。

妊婦検診の内容と時期はいつ?【正看護師が解説】

2018.04.15

体重測定

妊婦健診 妊婦 体重測定

妊娠中に体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や難産になってしまう恐れがあるので、毎回増えすぎていないかチェックします。
体重増加の目安は、妊娠前に標準体重だった人は8kg前後、痩せの人は10kg前後、肥満の人は5kg前後を目安にしましょう。

血圧測定

妊婦 血圧測定

妊娠高血圧症候群症の早期発見に役立ちます。目安の数値は最高血圧が140mm/hg以上、最低血圧が90mm/hg以上だと注意が必要です。

また、妊娠前より最高血圧が90mm/hg以上、最低血圧が15mm/hg上昇した場合も注意が必要です。

妊娠高血圧症候群症はとても怖い病気で、ママだけでなく赤ちゃんにも影響があるので、早期発見が大切です。

緊張したり力が入っていると正確に測れないので、数値が安定しない場合は深呼吸して測りなおしましょう。

尿検査

妊娠高血圧症候群症や糖尿病の早期発見に役立ちます。尿にタンパクや糖が出ていないか調べます。

タンパクが出ていた場合は妊娠高血圧症候群症の可能性があり、糖が出ていた場合は糖尿病の可能性があります。

検査方法は病院によって異なる事がありますが、陽性が出た場合次の健診の時に検査し、陰性であれば詳しい検査はしませんが、陽性が出た時は詳しい検査をします。

初診の時は妊娠の判断のために行われます。

浮腫検査

足の甲やすねを押して、むくみ具合をチェックします。

妊娠中はむくみやすいので軽いむくみであれば心配はいりませんが、足のスネや甲を押して戻らないほどの、ひどいむくみの時は注意が必要です。

体重の増え方や尿検査と合わせて、異常がないか判断します。

むくみは妊娠高血圧症候群の症状でもあるので、むくみがひどいく一晩寝ても改善しない時や全身に現れた時は注意が必要です。

内診

超音波検査(エコー検査)は赤ちゃんの状態を知るために、とっても大切な検査です。
産院によって3D映像で見られるところがあったり、映し出された画像を録画してもらえるところもあります。

一生の思い出にもなるので健診は欠かさず受けましょう。
超音波写真などでわからないことがあった時は、必ずその時に質問して不安や疑問を解消しておきましょう。

医師が膣の中に指を入れ筋腫の有無や、膣炎など子宮や膣の状態を調べます。
妊娠娠初期は経膣超音波で、赤ちゃんの心拍を確認したりします。

中期は子宮頸管無力症でないかをチェックします。
後期は子宮口の柔らかさや開き具合などを調べます。

内診は足を開いて検査するので、とても抵抗がある検査ですが、とても大切な検査です。

全身の力を抜いてリラックスして受けましょう。痛い時は我慢せず医師に伝えましょう。

超音波検査(エコー)

エコー検査

超音波が出るプロープという器具を当てて、体内の赤ちゃんや子宮内の様子を診ます。

膣に器具を入れる経膣超音波と、お腹に器具を当てる経腹超音波があり、赤ちゃんが小さい妊娠初期は、細かく映る経膣超音波を使用します。3ヶ月を過ぎるあたりから経腹超音波を使います。

初期の検査は正常妊娠かを確認し、赤ちゃんが確認できたら心拍や赤ちゃんの大きさから出産予定日の確認をします。

中期は赤ちゃんに障害がないか、胎盤の位置や羊水量などの確認をします。

後期は出産に備えて赤ちゃんの体重をチェックしたり、胎盤の位置を再確認します。

超音波写真の記号や文字の意味と見方

日付・時間

超音波検査をした日付や出産予定日などが表示されています。

Xマーク

胎児の全身や部分的な大きさをはかるときに使い2点の間の長さを測ります。

w・d

wは週を表しdは日を表します。計測した数値から何週何日に相当する大きさなのか表します。

目盛り

写真の外側にある目盛りは大きさをはかるためのもので、1目盛りが1㎝であることが一般的です。

GS -胎嚢の大きさ

エコーの見方-GS

 

 

妊娠初期に赤ちゃんが入っている胎嚢という袋の大きさを表します。胎嚢が確認できれば子宮外妊娠でないことがわかります。

CRL -頭殿長(とうでんちょう)

エコーの見方-CRL

 

 

頭の一番上からお尻までの長さで座高を示す数値です。

赤ちゃんは丸まっているので座高を計測し、月経から割り出した妊娠週数や予定日を確認するときにも使われます。11週位までは正確に測れます。

CRLの目安
週数 7 8 9 10 11 12 13 14 15
cm 0.9 1.3 1.9 2.8 3.8 4.9 6.1 7.2 8.3

 

BPD -児頭大横径(じとうだいおうけい)

エコーの見方-BPD

 

 

 

赤ちゃんの頭の大きさ。
頭を真上から見て左右の最も長い部分の幅を計測します。

月経から割り出した妊娠週数や予定日の確認や、赤ちゃんの発育具合を調べます。

BPDの目安
週数 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
cm 0.9 1.3 cm 0.9 1.3 1.9 2.8 3.8 1.9 2.8 3.8
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 26
4.9 6.1 7.2 4.9 6.1 7.2 4.9 6.1 7.2 4.9 6.1 7.2

FL -大腿骨長 (だいたいこつちょう)

エコーの見方-FL

 

 

 

太ももの骨の長さで、大腿骨は体の中で一番長い骨です。
妊娠後期に赤ちゃんの成長具合を調べます。

BPDやFTAなどと組み合わせて推定体重を計算します。

FTA -腹部横断面積(ふくぶおうだんめんせき)

エコーの見方-FTA

 

 

おへその位置でお腹を横に輪切りにした断面積のことです。推定体重を計算する際に使用されます。

TTD -腹部横径(ふくぶおうけい)

エコーの見方-TTD

 

 

 

腹部の横幅のことです。
推定体重の計算に使用します。

妊娠中期ごろから赤ちゃんの体や内臓の成長具合の確認にも使われます。

APTD -腹部前後径(ふくぶぜんごけい)

エコーの見方-APTD

 

 

腹部の前後の厚みのことです。
推定体重の計算に使用します。

妊娠中期ごろから赤ちゃんの体や内臓の成長具合の確認にも使われます。

EFW1 -推定体重(すいていたいじゅう)

エコーの見方-EFW1

 

 

 

FL、APTD、BPD、TTDなどを組み合わせて赤ちゃんの推定体重を計算します。
推定体重なので実際の体重と大きな誤差が生じることがあるのであくまでも目安です。

超音波ドップラー検査

お腹の上から赤ちゃんの心臓に近い所に超音波ドップラー装置をつけ、赤ちゃんの心拍数を測ります。
妊娠後期で120~160が正常範囲です。

問診

最近では産婦人科の廃止や医師不足、分娩を取り扱わない病院が増え、医師や看護師たちが忙しく相談や質問がしづらいことがあるかもしれませんが、質問などは必ず聞くようにしましょう。

検査の料金や検査の必要性など聞きにくいかもしれませんが、聞いておくと安心して健診が受けられますね。

一通り検査が終わった後に、医師から結果の説明があり、心配事などはこの時に質問します。

順調な場合はすぐに終わってしまうことも多いですが、医師が忙しそうな時や、混んでいても気になることや心配事は、この時にしっかり聞いて解決しておきましょう。

聞きたいことはメモなどをしておくといいと思います。また医師から指導があった時は、忘れないようにメモをとっておきましょう。

 

腹囲・子宮底長の測定

 

腹囲 子宮底長
腹囲 子宮底長

横になった状態で腹囲は、お腹周りの一番大きい部分を測り、子宮底長は恥骨のてっぺんから子宮のてっぺんまでの長さを測ります。

赤ちゃんの成長具合やママが太りすぎていないかや、羊水の状態などを調べます。お腹の出しやすい格好で受けましょう。

外診・触診・乳房検査

外から子宮の様子やお腹の張りなどを触ってチェックします。
乳房検査では乳頭を見て、産後に授乳が順調にできるかチェックします。

陥没乳頭や扁平乳頭などのトラブルがあるときは、マッサージをしてもらうか指導を受けます。

血液検査

血液検査では様々なことがわかります。
赤ちゃんに影響がありそうな病気を、ママが持っていないか、貧血になっていないかなどを調べます。

初期には血液型や貧血検査、風疹の抗体価などを調べます。
後期には貧血を調べます。

必ず受ける検査と必要に応じて受けるものがありますが、受ける検査の種類は産院によって異なります。
気になる検査や受けたい検査は医師に相談してみましょう。

血液型検査

ABO式、Rh式で血液型を調べます。
緊急時の輸血が必要になった時のために調べておきます。

血液型不適合の有無も調べます。
血液型不適合は赤ちゃんの貧血や黄疸の原因になります。 

貧血検査

貧血だと出産時に大量に出血した場合母体が絶えられず危険な状態になることや、産後の回復が遅れることがあります。

赤ちゃんの発育に影響が出ることもあります。

風疹の抗体価検査

風疹への免疫があるかを調べます。

抗体価が8倍未満は抗体がなく16~128倍は抗体があり256倍以上だと最近の感染です。
妊娠初期に風疹に感染すると流産や先天性風疹症候群になる可能性があります。

HBs抗原検査

B型肝炎のウイルスを保菌しているか調べます。
感染していた場合抗体がないと出産時に赤ちゃんに感染することがあります。

感染していた場合は産後、赤ちゃんに予防接種をします。

梅毒反応検査

流産や早産、先天性梅毒になることがあるので、妊娠初期に早期発見・治療が大事です。
陽性の場合はパパも一緒に治療します。

必要に応じて行われる検査

クラミジア検査

感染していると子宮頸管炎になることもあります。
出産時に赤ちゃんに感染すると肺炎になることや、トラコーマという病気になることもあります。

陽性の場合は出産までに治療します。
パパも一緒に治療します。

実施する産院が多いです。おりもので検査することもあります。

HIV検査

エイズウイルスに感染していないか調べます。
感染していると出産時に赤ちゃんに感染する可能性が高いです。

義務ではないが実施する産院が多いです。

HCV抗体検査

C型肝炎のウイルスに感染していないか調べます。
感染していると出産時に母子感染の可能性があります。

トキソプラズマ検査

猫や犬などに寄生しているトキソプラズマ原虫に感染しているか調べます。
感染していると赤ちゃんが、先天性トキソプラズマ症にかかることもありますが、可能性は低く、妊娠前の感染は問題ありません。

ATL抗体価検査

ATL(成人T細胞白血病)はウイルス感染する血液のガンです。

感染しても発病しないことも多いです。感染していた場合母乳感染の可能性があります。

間接クームス検査

赤ちゃんとママが血液型不適合ではないかを検査します。

トリプルマーカースクリーニング検査

染色体に異常がないか調べます。血液から3種類の成分を分析しダウン症などの確率を調べます。
その他妊娠中に必要に応じて行われる特殊な検査

GBC検査(おりもので検査)

B群溶連菌に感染しているか調べます。赤ちゃんに感染すると髄膜炎や敗血症になる可能性があります。

子宮頸部細胞診(子宮頸部の細胞で検査)

子宮頸がんがあるかを調べます。
子宮頸部の細胞を採取して検査します。痛みはありません。

羊水検査(羊水で検査)

赤ちゃんにダウン症などの染色体異常の可能性があるかを調べます。
妊娠16週から20週に超音波でお腹の中を見ながらお腹に針を刺し羊水を抜き取ります。

絨毛検査(絨毛で検査)

赤ちゃんにダウン症などの染色体異常の可能性があるか調べます。

妊娠9週から11週の間に超音波で画像を確認しながら子宮に器具をさし絨毛を採取し検査します。

高齢妊娠・高齢出産

2017.12.19

その他妊娠中に必要に応じて行われる特殊な検査

切迫早産検査(おりもので検査)

妊娠22週から33週頃におりものの中に、細菌やウイルスの有無を調べます。

細菌やウイルスに感染し子宮にまで達すると、絨毛膜羊膜炎などを起こし早産や前期破水の原因になります。

骨盤X線検査(X線で検査)

エックス線でママの骨盤と赤ちゃんの頭の大きさを測り、赤ちゃんが骨盤を通れるか調べます。

小柄な妊婦さんや赤ちゃんが大きいなど、児頭骨盤不均衡が疑われる場合に行われる検査です。出産が近くなると行われます。

ノンストレステスト(分娩監視装置で検査)

横になりお腹に分娩監視装置をつけ、赤ちゃんの心拍数や胎動、ママのお腹の張り具合を調べます。

産院にもよりますが出産が近づいたころや必要時に行われます。

胎盤機能検査(尿や血液で検査)

尿や血液に含まれるホルモン量を調べ、胎盤の機能が低下していないか調べます。

出産間近や予定日超過の時などに行われますが、必要に応じて行われることもあります。