妊婦さんが焼肉を食べるときの注意は?【看護師が解説】

妊娠中に焼肉を食べてもいいのかな、赤ちゃんへの影響はどうなのかなと気にっている方が多いことでしょう。

妊娠中の焼肉は、カロリーが高くなってしまうことなど、注意する点はありますが、食べても大丈夫なんですよ。

焼肉を食べるとしたらどんなことに気をつけるのか、焼肉の良い点も合わせてお話しましょう。

焼肉はどういう食べ物か?

焼肉で食べる肉には、どんな栄養素があるのかを見てみましょう。

牛肉

タンパク質とアミノ酸が豊富に含まれています。

カロリーは、肉の部位によって違いがあります。

豚肉

タンパク質、アミノ酸、ビタミンB1が豊富に含まれています。

カロリーは、脂身の量によって違いがあります。

鶏肉

タンパク質、アミノ酸、ビタミンB6が豊富に含まれています。

どの部位でもカロリーは同じですが、皮があるかどうかで大きく違います。

ホルモン

比較的コレステロールが多いとされていますが、全体的にカロリーが低めです。

脂が多い部位でもバラ肉に比べると低いとされています。

妊娠中はいつでも避けたほうがいい?

焼き肉は、妊娠時期のいつでも食べても構いません。

妊娠初期には、食べたもので流産の危険があるのではないかと気にする方もいらっしゃるようです。

妊娠初期の流産は、ほとんどが染色体異常が原因とされ、胎児側の理由が多いとされています。

ですので、焼き肉を食べたからといって、流産の危険があるわけではありませんので、ご安心ください。

妊娠中期や後期にも焼き肉を食べても構いません。

「焼き肉を食べると陣痛が来る」というジンクスがあるようですが、医学的な根拠はありません。

焼き肉を食べるときの注意を守って食べるようにしましょう。

妊娠中に焼肉を避けたほうがいい?

妊娠中に、焼き肉を避けなくても大丈夫です。

避ける必要はありませんが、食べすぎてしまうと良くありません。

充分に焼けていない肉を食べると、トキソプラズマ症のリスクもありますので、注意が必要です。

焼肉を食べるリスクとして下記のようなことが考えられます。

しかし、工夫したり注意することで、問題なく食べられます。

食べ過ぎる

焼肉を食べるときは、バーベキューや家族や友人との外食など、いつもと雰囲気が違っていることが多く、つい食べ過ぎてしまうかもしれませんね。

たくさん食べると、カロリーオーバーや塩分の摂り過ぎになってしまう可能性がありますので、注意しましょう。

また、焼肉のたれは、塩分がたくさん含まれているものが多く、つけ過ぎると塩分を多く撮ってしまいます。

レモンなど柑橘類の絞りかけるなど、工夫するといいですね。

トキソプラズマ

加熱が不充分な肉、猫の糞便などに感染源があるとされています。

妊婦さんがトキソプラズマに初感染した場合、胎盤を通じて赤ちゃんに感染する可能性があります。

お腹の中で赤ちゃんに感染が起こった場合、妊娠初期ほど重症となりますが、感染率は低いとされています。

反対に、妊娠後期では、赤ちゃんへの感染率は高くなりますが、重症度は初期に比べると比較的軽いとされています。

先天性トキソプラズマ症では、水頭症、視力障害、精神運動機能障害などが見られます。

感染が心配な場合は、血液で抗体検査をすることができます。

食べるときの注意

焼肉を食べる時の注意や工夫を挙げましたので、参考にしてくださいね。

よく焼くこと

トキソプラズマに感染しないように、よく焼くようにしましょう。

その他、食中毒を起こす原因菌は熱に弱いことが多く、よく火を通すことによって食中毒も予防できます。

よく焼くことによって、脂を落とすことができ、カロリーダウンにもつながりますよ。

食べすぎないこと

おいしいからと言って、食べすぎないようにしましょう。

また、見た目の脂身が少ないものを選んだり、鶏肉は皮をはぐと、カロリーダウンになります。

タレをつけすぎないこと

焼肉のタレは、味が濃くておいしいですよね。

つけ過ぎると、塩分の摂り過ぎになる可能性がありますので、気をつけましょう。

レモンなどの柑橘類を絞ると、タレをつけすぎなくてもすむかもしれません。

レバーに注意

焼肉では、レバーもおいしいですね。

レバーを食べ過ぎると、ビタミンA(レチノール)を多く摂ってしまう可能性があります。

ビタミンAの摂り過ぎは、赤ちゃんに影響があるとされていますので、レバーを食べすぎないようにしましょう。

妊娠中のビタミンAの摂取奨励量とレバーに含まれるビタミンAの量をまとめましたので、参考にしてくださいね。

たとえ、1日この量を超えたとしてもそれほど心配しなくいでください。

上限量を超えて毎日食べるということをしなければ大丈夫です。

妊娠中のビタミンAの摂取奨励量

年齢 妊娠初期・中期 妊娠後期
18−29歳 650 μgRAE 730 μgRAE
30−49歳 700 μgRAE 780 μgRAE

※上限量は 2700 μgRAEです。

厚生労働省「日本人食事摂取基準2015」を参考に作成

【レバーに含まれるビタミンAの量(単位はμgRAE)】

レバーの種類 ビタミンAの目安量
1. 鶏レバー 焼き鳥レバー1本は、約10g(≒1400)
2. 牛レバー 1切れ15g(≒165)
3. 豚レバー 1切れ9g(≒1170)
4. レバーペースト 大さじ1で12g(≒516)

食べる部位

脂身の少ない部位を選ぶと良いでしょう。

脂身も食べてはいけないわけではありませんが、カロリーが高いのでたくさん食べないようにするといいですね。

ハラミやタンなどはカロリーが少ないです。

また、鶏肉は低カロリーの上に高タンパクなので、取り入れてみてはいかがでしょうか。

鶏のレバーは、ビタミンA(レチノール)を多く含みますので、前項の表を参考にして食べすぎないようにしましょう。

食べる順番

食事のときには、初めに食物繊維が豊富な野菜を食べると、糖質の吸収が緩やかになって血糖値が急に上がるのを防いでくれます。

肉と一緒に野菜も注文して食べるといいですね。

焼肉の良い点

焼肉で食べる肉には、プラス面もあります。

大事なタンパク質が含まれている

肉には、良質のタンパク質が含まれています。

食べ過ぎに注意は必要ですが、赤ちゃんの身体となり必要な栄養となって、赤ちゃんを健康に大きく育ててくれます。

鉄分が含まれている

牛肉の赤身には、鉄分が豊富に含まれています。

レバーにもたくさん入っていますが、レバーが苦手な方は、牛肉の赤身を食べると鉄分を取ることができます。

鉄分はほうれん草が有名ですが、植物性の鉄分よりも動物からの鉄分の摂取の方が、鉄の含有量も多い上に身体に入ったときの吸収率がかなり良いのです。

また、鉄分はビタミンCと一緒に摂ると、鉄分の吸収率が上がりますので牛肉の赤身を焼いてレモンを絞って食べると、効率よく鉄分を摂ることができます。

バランスの良い食事を心がける

バランスの良い食事とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることです。

わかりやすくお話すると、下記のような食事です。

ひどい偏食をしないようにしましょう

食べられないものが多く、偏食がひどいと栄養が偏ってしまう可能性があります。

どうしても食べられないものは、無理をして食べる必要はありませんが、その他の食品で代用できるといいですね。

同じものばかり食べないようにしましょう

身体にいいからといって、同じものばかり食べると栄養が偏ります。

また、同じ栄養の摂り過ぎにつながる可能性がありますので、注意が必要です。

3食きちんと食べましょう

基本は3食きちんと食べることです。

これまでの食生活を、ガラリとかえる必要はありませんが、1日1食や2食だと母体と赤ちゃんの栄養が充分に摂ることができません。

規則的な生活をして食事も3食が理想です。

ダイエットはやめましょう

体重の管理のために、無理なダイエットはしないでください。

特に炭水化物を極端に減らしたり、食べなかったりするのはよくありません。

身体の基本的なエネルギーは、炭水化物から作られます。

赤ちゃんのためにも、食事を抜いたり無理なダイエットはやめましょう。

量はほどほどにしましょう

たくさん食べてしまう人、体重が気になって量を制限している人などがいるかもしれません。

妊娠中の食事の適量を知って、量を調節しましょう。

厚生労働省が作った「妊産婦のための食事バランスガイド」が役立つでしょう。

参考にしてみてくださいね。

[厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」]

よく噛みましょう

良く噛んで食べると、唾液もたくさんでて消化にもいいのです

また、満腹中枢が刺激されて、食べすぎないようにセーブしやすくなります。

いつもよりも数回を多く噛んでみてはいかがでしょうか。

おやつを食べても良い

食事で足りない分は、おやつを食べても大丈夫です。

カロリーオーバーにならないようにしましょう。

お腹が苦しくて、1回では食べ切れない場合は、分割して食べてもいいですよ。

おいしく楽しく食べましょう

食事はおいしく楽しく食べるものです。

不要な制限はしなくても大丈夫です。

体重やカロリーが気になる場合は、医師や助産師、栄養士に相談してくださいね。

まとめ

妊娠中は、何かと食べるものに気を遣うものです。

でも、注意したり工夫したりすることで食べられます。

焼肉も食べ過ぎないようにして、よく焼けば妊娠時期のいつでも食べて大丈夫です。

肉は、鉄分やタンパク質が豊富なのでプラス面もあるんですよ。

赤ちゃんのために、栄養バランスを考えて食事ができるといいですね。