妊娠初期の食欲は減る?原因や対処方法、注意点をご紹介【看護師が解説】

妊娠初期の食欲の変化には色々パターンがあります。

食欲がなくなる方、食欲が増進する方、水を飲んでも嘔吐してしまう方、嗜好が変わる方もいますね。
そんな変化によって、妊娠に気がつく方もいらっしゃいます。

いつもと違う食欲に戸惑ってしまいますね。

ここでは、妊娠初期の食欲の変化についてどんなものがあるのか、その原因、対処方法、注意点などについて詳しくご説明します。

妊娠初期の食欲の変化

妊娠初期の食欲の変化には、個人差があります。

よく聞くのが、食欲がなくなってしまい、あまり食事がすすまないというものです。

反対に、何か食べていないと気持ち悪くてだめということもあります。

両方の方もいらっしゃいますね。

食欲増進(食べづわり)

妊娠してからも、いつもよりも食欲があるという方もいらっしゃいます。
ガッツリ食べたり、しょっちゅう食べたりとパターンは様々です。

食は細いけど、食べていないと気持ちが悪いこともあります。
ピザ屋ハンバーガーなどこってりしたものが食べたいということもよく聞きます。

食欲不振(吐きづわり)

そうめんや果物などのスッキリしたものだと食べることができる、水を飲んでも嘔吐するなど、程度は様々です。

この場合、全体的に妊娠前よりも食事量が減っています。
1-2kgほど体重が減る方もいらっしゃいます。

食べては吐く

食べたいと思って食べたても、後で気持ち悪くなって吐くということもありますね。
食べづわりと吐きづわりの混在型です。

結局、あまり食事はおなかに入っていないこともあります。
しょっちゅう吐いていると、脱水になる可能性があり、注意が必要です。

水分をこまめに摂れるようだと様子をみても大丈夫でしょう。

嗜好の変化

いつもはあまり好きではない食べ物が、とてもおいしく感じたり、反対に好きだったものが、あまりおいしく感じなかったりすることがあります。

また、妊娠すると酸っぱいものが無性に欲しくなることは、よく聞く話ですね。
妊娠によって、このような嗜好の変化が見られる方もたくさんいらっしゃいます。

味覚の変化

味の濃いうすいが、よくわからなくなったという方もいらっしゃいます。
家族に料理お味が濃くなったと言われたり、味見してもよく味がわからなくなったりすることがあります。

そのうちにいつも通りになる方やなかなか味の感覚が戻ってこない方もいます。
これらの変化の程度には、個人差があります。

ほとんど何の症状も出ない方もいれば、起き上がることさえ苦痛で、嘔吐もひどくて体重が数キロ減る方もいらっしゃいます。

食欲の変化の原因

これらの食欲の変化は、つわりの症状の一つです。
妊婦さんの50-80%以上が経験すると考えられています。(参考文献1)

原因はまだはっきりと解明されていませんが、ホルモンバランスの変化が関係しているという説があります。
また、心理的なことが原因で、食欲の変化が軽くなったり、重くなったりすることが知られています。

食欲の変化はいつ頃おさまる?

このような食欲の変化は、おおかた胎盤ができる妊娠15-16週頃には落ち着いてきます。
でも、これも個人差があり、妊娠20週頃までつらかったり、妊娠後期になってもおさまらない方がいらっしゃいます。

食欲の変化と赤ちゃんの元気さ

「つわりがないから、赤ちゃんが育っていないのではないか」「つわりが急になくなったから、流産したのではないか」など、食欲の変化がないと、赤ちゃんが元気ではないと思ってしまう方もいます。

でも、食欲の変化があってもなくても、赤ちゃんの元気さとは関係ありません。
食欲の変化によって、赤ちゃんが元気かどうかを判断することはできないのです。

また、食欲の変化がない方は、「いつも通りに過ごせることはラッキーだ」と前向きに捉えましょう。

対処方法

食欲不振のときの対象方法を紹介します。食欲不振で悩んでる人は体調に合わせて試してみてください。

食欲不振(吐きづわり)

妊娠初期に食欲がない場合には、「食べたいものを、食べたいときに、食べたいだけ、食べても良い」と言われています。

この時期は、赤ちゃんの栄養のことは気にしなくて良いのです。
なぜならば、この時期の赤ちゃんは、まだ本当に小さく、たくさんの栄養を必要としません。

もし、食事ができないようなら、お母さんの身体に蓄えられている栄養から、必要な栄養をもらっています。
妊娠前の身体作りが大切だといわれているのは、このためでもあるのです。

こまめに水分が摂れている、食事が偏っていても少しなら食べられるということなら、様子を見ても大丈夫です。
水分も摂れずに嘔吐してしまう、または嘔吐の回数が多く、体重が大幅に減っているなら、点滴治療が必要になるかもしれません。

心配な場合は、受診しましょう。

食欲増進(食べづわり)

何か食べていないと気持ちが悪いなどの食べづわりは、急に体重が増えてしまうことがあります。
1週間に500g以上増える場合は、医師に相談しましょう。

油っこいものや味の濃いものを好む方もいらっしゃいます。
基本的に食べたいものを食べても良い時期ですが、体重の増え方に注意しましょう。

嗜好の変化と味覚の変化

嗜好の変化は妊娠中期から妊娠後期になると落ち着く方が多いです。
様子を見ていきましょう。

味覚の変化もだんだんもとに戻ってくることが多いので、様子を見てください。
あまりにも料理が濃くなるようなら、家族の方に味見をしてもらうなど、調整するといいですね。

受診が必要な症状

水分さえ摂れなくなったり、体重がどんどん減ったりするようなら、受診をおすすめします。
身体の中の水分が奪われて、脱水症状を引き起こす危険があるからです。

このような場合は、ある程度の食事が摂れるようになるまで、点滴による治療をすることがあります。

食欲の変化はいつからいつまで

食欲不振になったり、食欲増進したりなどの変化が起こる時期は個人があります。

生理が遅れた(おおよそ妊娠4-5週)と思ったら感じる方もいらっしゃいますし、妊娠7週くらいで感じる方もいらっしゃいます。

もとの状態に戻っていく様子も、「急に良くなった」「徐々に回復してきた」「何となく本調子じゃないときもあるけど、気分がいいときもある」など様々です。

食欲の変化があるときの注意点

食欲の変化がある時の注意点です。

口の衛生

このように、食欲の変化があると口の中の衛生が保たれない可能性があります。
まず、歯磨きができないという方が多いのです。

歯ブラシや歯磨き粉が、気持ち悪くて使えないのです。
そんなときは、緑茶、マウスウォッシュ、水でうがいをするだけでもOKです。

もしくは、食事の最後に水分を飲みましょう。
こうするだけでも、歯の表面についている食物などがある程度取れると言われています。

もちろん、歯磨きができるといいのですが、何もしなくても気分が悪い状態のときに、あまり無理をしないほうがいいですね。
睡眠中は、唾液の分泌が減りますので、歯磨きをしていないと虫歯になりやすいと言われています。

夜寝る前には、歯磨きができるといいですね。

栄養摂取

食欲の変化があるときに、無理をして魚や肉、野菜などの栄養バランスを考えて食事をしようとしないことです。
無理をして食べて吐いてしまうと、体力も使いますし、母体がつらくなってしまいますよね。

それよりは、できるだけお母さんが心地よく過ごす方が大切です。

まとめ

妊娠初期の食欲の変化は、つらいこともありますね。
つらくても、上の子どもや旦那さんの食事を作らなければならない方もいらっしゃるでしょう。

周りの方の協力が得られる方は、思い切って頼ってみましょう。
お惣菜をうまく使ってみるのも一つ方法です。

赤ちゃんがおなかにいることで、お母さんは色々な変化を感じます。
「おなかに赤ちゃんがいるんだ」と、前向きな気持ちで過ごせるといいですね。

参考文献
1.株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.10 産科 第3版』P76