断乳はやり方や注意点は?【看護師が解説】

3ヶ月女の子授乳

母乳やミルクのみだった赤ちゃんは、月齢が上がるとともに離乳食が開始となり、徐々に食事の比重が高くなっていきます。

しかし、赤ちゃんにとって母乳やミルクは大切なもので、それから卒業することは簡単なことではありません。

最近では、無理に断乳する必要はないと言われていることに加え、WHO(世界保健機関)は2歳まで母乳を与えるよう推奨しています。

しかし、ママの体調や仕事復帰などの状況によっては、断乳をしなければならないこともありますよね?

断乳とはどのようなもので、いつ開始するのがよいのか、またスムーズな進め方などについて詳しく解説します。

断乳とは?

断乳とは、文字通り「母乳やミルクを止めて、食事に切り替える」という意味ですね。

赤ちゃんにとって母乳やミルクは、栄養豊富な飲み物です。

そればかりでなく授乳の時間は、ママとふれあう大切な時間でもあります。

そのため断乳を無理に進めると、嫌がって思うように進まないこともあるでしょう。

慣れ親しんだ母乳やミルクを止めて食事に切り替えるためには、ママと赤ちゃんの心の準備と離乳食の進行具合が重要となります。

いつまで授乳する?

離乳食は、生後5,6ヶ月頃から始まり、徐々に回数や量が増え、固さのあるものも噛んで食べれるようになります。

生後12ヶ月〜18ヶ月頃には、1日3回の食事になり、母乳やミルクよりも食事がメインとなります。

しかし、離乳食の進み方には個人差があることや、食物アレルギーの有無によっても進み方に違いが現れます。

月齢や離乳食をメインにすることにこだわらず、赤ちゃんの状態に合わせて断乳の時期を考えるとよいでしょう。

いつごろから断乳を考える?

現在の母子手帳には、断乳についての内容が記載されていません。

そのため基本的には、無理に断乳する必要はなく、赤ちゃんのペースに合わせて進めていけばよいと言えます。

断乳を始める目安は、離乳食が1日3回になり授乳の回数や量が減少してきた頃です。

一般的には1歳〜1歳6ヶ月頃に、断乳を始めるママが多いと言われています。

赤ちゃんの様子や、離乳食の進行状況、授乳回数などを総合的に判断して、断乳を始めるかどうか考えるとよいでしょう。

次の子の妊娠がわかった時

授乳している間は、生理が止まっていることが多いため、妊娠の可能性は低いと考えていませんか?

排卵は生理の約2週間前に起こります。

そのため「出産後に生理が一度も来ないのに妊娠した!」ということもあるのです。

妊娠中に授乳すると、その刺激によって子宮が収縮してしまうため断乳が必要となります。

また、断乳をすることによって生理周期が正常に戻り妊娠が可能になります。

次の妊娠を考えた場合は、断乳が必要になるでしょう。

仕事を始める場合

育児休暇を経て仕事に復帰する場合、時期によっては断乳が必要になることもあります。

特に母乳を与えている場合は、断乳が必要なることもあります。

保育園に預けるために断乳するように指示があった場合は、それに従うことになります。

しかし、保育園などに預けている間は、ミルクを飲んだり離乳食を食べたりすることができるのであれば、必ずしも断乳が必要ということではありません。

むしろ、帰宅後の授乳が母子のふれあう大切なの時間になるという考え方もできるでしょう。

断乳の注意点

断乳を始める場合、赤ちゃんの様子や離乳食の進行状況などを見て判断することが大切であることは前述しましたね?

大切なことは、断乳を始める時期になったからといって、焦って始める必要はないということです。

断乳することによって、赤ちゃんの機嫌が悪くなる、泣き止まない、なかなか寝ないなどの反応があるでしょう。

そのような赤ちゃんを見ると、断乳したことを後悔したりかわいそうに感じたりすることもあります。

しかし、断乳すると決めたら継続することが大切です。

赤ちゃんに寄り添い、ストレスを軽減するように努めましょう。

無理に断乳しない

断乳の方法として、乳首にからしを塗ったり、乳房に怖い絵を描くなどの方法があることを知っていますか?

これらは赤ちゃんが嫌がることをして、断乳させるという考え方です。

しかしこの方法は、赤ちゃんがおっぱいに対しマイナスイメージを抱かせる可能性があるためおすすめしません。

授乳の時間やおっぱいに触ることは、赤ちゃんが精神的に落ち着くために大切なものです。

無理に断乳して、赤ちゃんを傷つけることのないよう注意しましょう。

断乳と卒乳の違い

断乳と卒乳の違いを知っていますか?

両方とも授乳を止めることですが、方法に大きな違いがあります。

授乳をやめるという決定権が、ママと赤ちゃんのどちらにあるかの違いです。

断乳はママの意思が反映されるもので、卒乳は赤ちゃんの意思によって時期が決まります。

卒乳について

卒乳は、赤ちゃんの意思によって行われるものでしたね?

いつまでに卒乳するという期限を決めずに、赤ちゃんの意思に任せて自然に授乳を終了するタイミングを待つものです。

離乳食が進むにつれ、徐々に授乳回数は減っていきます。

つまり、これも赤ちゃんの意思によって決まっていると言えます。

色々なものが食べられるようになり量も増えてくると、自然に母乳は必要ではなくなります。

しかし、日中の授乳は不要でも、寝る時にはおっぱいが必要という場合もあります。

それも赤ちゃんが成長するに従って必要ではなくなり、卒乳することができます。

断乳の方法

卒乳は断乳に比べて、赤ちゃんの負担が軽いと考えられます。

しかし、ママの状況によっては断乳せざるを得ない状況になることもありますよね?

そのような時に、ママと赤ちゃんにとってストレスが少なく、スムーズに断乳できる方法を選択したいですね。

断乳を始める目安

断乳を始める目安を紹介します。

  1. 1日3回の離乳食を食べることができる
  2. 固形の食べ物を食べることができる
  3. 牛乳を飲むことができる
  4. 母乳より離乳食がメインになってきた(授乳の回数が減ってきた)
  5. 赤ちゃんの体調がよい

これらの状況を総合的に判断して、断乳をしてもよいかを決定しましょう。

桶谷式断乳とは

断乳の方法として有名なのは「桶谷式断乳」と言われるものです。

これは助産師の桶谷さんが考案した方法で、ママと赤ちゃんの意思で断乳をするというものです。

この方法で大切なことは、ママと赤ちゃんとの間にしっかりとした信頼関係が築けていることです。

信頼関係があることによって、お互いが納得した上で断乳を行うことができるため、断乳がスムーズに進むと言えます。

桶谷式断乳の方法

まずは、断乳する日にちを決めます。

断乳を開始する1週間前になったら、赤ちゃんに断乳をすることや日にちをしっかりと伝えましょう。

断乳前日には、明日で母乳を卒業することを親子で確認し、赤ちゃんが欲しがる分母乳を与えます。

断乳当日は、これが最後の授乳であることを伝えた上で、赤ちゃんの気が済むまで授乳します。

その後は、赤ちゃんが欲しがっても授乳しないようにします。

赤ちゃんの気持ちがおっぱいに向かないよう、たくさん遊んだり抱っこしたりしてあげましょう。

断乳後におっぱいが張る時は、なるべく搾乳せず、痛みを我慢できないときだけ少し絞る程度にします。

授乳を継続するデメリット

授乳は、赤ちゃんにとって栄養補給とママとの触れ合う時間であると言えます。

しかし、授乳を継続することによるデメリットもあるのです。

  1. 離乳食が進まない可能性がある
  2. 成長する上での栄養が不足する
  3. 赤ちゃんがぐずった時おっぱいに頼ってしまう、精神的な自立が妨げられる
  4. 周囲から「いつ断乳するの?」などの声がけがプレッシャーになる
  5. 虫歯のリスクが高くなる

母乳には栄養が豊富に含まれていますが、赤ちゃんが成長するためにはさらに多くの栄養を必要とします。

適切な時期に断乳し、離乳食から栄養を取ることができるように工夫する必要があります。

断乳のデメリット

断乳することは、ママにとっても赤ちゃんにとっても辛いことかもしれませんね。

断乳によるデメリットをみていきましょう。

赤ちゃんの影響

まずは、断乳による赤ちゃんへの影響をみていきましょう。

赤ちゃんにとって母乳は、大切な栄養であり慣れ親しんだ味であると言えます。

離乳食が開始となり徐々に食事量が増えていくと、自然と授乳の回数や量が減少していきます。

しかし、赤ちゃんにとって授乳の時間は、ママとのふれあいの時間であり愛情を感じることができる大切な時間なのです。

そのため断乳を急ぎすぎると、赤ちゃんがストレスを感じて、泣いたり寝つきが悪くなったりすることもあります。

ママへの影響

今度はママへの影響をみていきましょう。

赤ちゃんの離乳食が進むに従って授乳回数が減るため、母乳の分泌量の減少していきます。

しかし、授乳をしている間は母乳の分泌は続いているため、断乳を開始してもしばらくの間は搾乳が必要になります。

乳腺に母乳が残っていると乳腺炎を起こす原因となるため搾乳は必要ですが、搾乳の刺激によって母乳の分泌が促されることもあるため注意しましょう。

まとめ

断乳を行うために大切なことは、離乳食が順調に進み授乳回数が減っていること、親子の信頼関係がしっかり築けていることです。

無理に断乳すると、赤ちゃんは傷つき、ママにとっても辛いことになってしまう可能性もあります。

WHOは2歳までの授乳を推奨おり、時期が来たからといって焦って断乳する必要はありません。

断乳をスムーズに行うために、赤ちゃんの様子をしっかりと観察し、断乳に向けてしっかりと準備をするようにしましょう。