授乳中に風邪をひいてしまったら?赤ちゃんへの影響は?【看護師が解説】

風邪

授乳中の風邪はやっかいですよね。
産後の母親の身体は、妊娠中と同じで抵抗力が弱っていることが多いです。

特に産後1-2か月は、産後の回復途中でもあり、寝不足だったり育児で忙しかったりと、なかなかゆっくりと休息が取れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなときに風邪をひいてしまったら…
身体はつらいけど赤ちゃんのお世話はしなければならないとなると大変です。

ここでは、授乳中に風邪をひいたらどうしたらいいのか、薬は飲めるのか、赤ちゃんの授乳に影響はないのか、赤ちゃんには感染しないのかなどについてお話します。

授乳中に風邪をひいてしまったら

0ヶ月男の子授乳

もし、授乳中に風邪をひいてしまったら、症状がひどくなる前に受診したほうが良いでしょう。
妊娠中と同じで、産後、特に1-2か月は母体の抵抗力が弱まっている時期です。

風邪やインフルエンザにもかかりやすくなっています。
風邪はひき始めが肝心です。

赤ちゃんのお世話は、思い切って家族に代わってもらったり、手伝ってもらったりして、無理しすぎないようにしましょう。

授乳中の薬

授乳中は、風邪薬や解熱剤などが飲めないと思っている方が多く、ずいぶん我慢するお母さん方がいらっしゃいます。

でも、授乳中も薬が飲めるんです。
妊娠中もそうですが、授乳中に飲める薬は結構あるのですよ。

母乳を与えている方は、赤ちゃんへの影響を考えて、「できるだけ薬は飲みたくない」と思う気持ちもあるでしょう。

しかし、ひどくなる前に、または長引く前に、「早めに薬で治して、気分よく赤ちゃんのお世話をする」というのも一つの考え方です。

総合感冒薬や解熱剤、のどの薬やうがい薬など、授乳中であることを申し出て、医師に出された薬は飲んでも大丈夫です。

授乳も続けられるのですよ。
念のために、産婦人科で出してもらえるといいですね。

国立成育医療研究センターのホームページに下記のような情報が載っています。
抗生物質や抗菌薬、鎮痛剤、解熱剤、抗ヒスタミン薬、胃薬などは、授乳中でも飲むことができます。

専門家による相談窓口もありますので、参考にしてくださいね。

風邪の間は母乳

結論からいうと、風邪をひいてても母乳はあげられます。
風邪をひいている間に母乳を飲ませてしまうと、

  • 風邪のウィルスや菌が母乳に感染して、変な母乳が出るのではないか
  • 母乳から赤ちゃんへ風邪がうつるのではないか

と気になることろですが、大丈夫です。

なぜならば、風邪をひくと母体の中で免疫が働き、ウィルスや菌への抗体が作られます。
その抗体は母乳に移行し、赤ちゃんが母乳を飲むことで、赤ちゃんに抗体が移行すると言われています。

母乳を飲ませることで、赤ちゃんの風邪予防ができるのです。
すごく良いシステムだと思いませんか。

母乳から風邪がうつることはありません。

お母さんがインフルエンザにかかっているときでさえも、赤ちゃんに母乳を与えても大丈夫と言われているほどなんですよ。

赤ちゃんへの感染

0ヶ月男の子授乳

赤ちゃんへの風邪の感染は、多くは飛沫感染です。
飛沫感染とは、菌やウイルスを含む唾液や鼻水が飛んで、相手の粘膜などに付いて感染することです。

母乳を介して感染する可能性はありません。
赤ちゃんのそばで、咳をしたりくしゃみをしたりを繰り返すと、唾液などを介して赤ちゃんに感染する可能性が高いのです。

マスクを付け、手洗いうがいをして赤ちゃんへの風邪の予防をすることが大事です。

栄養ドリンクは注意

ちょっと調子が悪いときに、栄養ドリンクを飲むと割とすぐに回復するという方もいらっしゃるかもしれません。

でも、栄養ドリンクにはカフェインやアルコールが入っている場合があります。
栄養ドリンクを飲んで授乳する場合は、注意が必要です。

赤ちゃんの落ち着きがなくなったり、不眠になったりすることが考えられます。
成分表をよく見て、カフェインやアルコールが入っていないものを選ぶといいですね。

医師や薬剤師に確認することをおすすめします。

薬を飲んでいる間のミルク

薬を飲んでいる間は、「薬の成分が赤ちゃんに移行するのではないか」ということが気になるという方もいらっしゃるでしょう。

確かに、母乳を介して微量の薬剤の移行があります。
薬全体の約8割は、母乳が作られるときに、薬の成分がお母さんの血液よりもかなり薄くなっていることがわかっています。

約2割の母乳中で濃くなっている薬でも、薬の成分が入った母乳を赤ちゃんが飲んで、消化して赤ちゃんの身体のすみずみに届いて、影響を及ぼすまでには多くの道のりがあるのです。

このように母乳を介して、赤ちゃんに影響がある薬は限られています。(参考文献1)
薬の影響が気になるときは、母乳は一時中止して、ミルクに変更してもかまいません。

でも、ミルクをあげている間は、搾乳を忘れずにしましょう。
搾乳をしていないと、乳房が張ってきたり、母乳がたまりすぎて痛くなったりする可能性があります。

乳腺炎になることも考えられます。
風邪に続いて乳腺炎になったら大変ですよね。

赤ちゃんに飲ませていたときと同じような間隔で、母乳を搾ることをおすすめします。
また、たまった母乳を出していかないと、母乳の分泌が少なくなる可能性が高くなります。

これまで、ある程度定期的に母乳を吸われていたのに、母乳が吸われないでいると(体外に出されないでいると)、身体が「もう母乳はいらないのかな」と勘違いしてしまうのです。

ちょっと大変ですが、薬を飲んでいる間は搾乳して、ケアしていると母乳を再開したいときに、母乳の分泌が維持できるのです。

母乳の免疫

母乳には、赤ちゃんの健康を守るための免疫物質が入っています。

生後約6か月の期間は、この免疫が威力を発揮して、赤ちゃんはあまり病気をしない、もしくは病気になっても症状が軽いと言われています。

ミルクには、この免疫物質を配合することが難しいとされています。
母乳とミルクの違いは、この免疫物質が含まれているか否かが大きいのです。

この免疫は、すべての病気や症状に効くわけではありませんが、赤ちゃんの健康を守るのに大いに役立つものです。

もし、母乳を与えることが苦でなければ、赤ちゃんのためにもできるだけ母乳を飲ませてあげられるといいですね。

風邪の予防

授乳中の風邪や体調不良はつらいものです。
赤ちゃんのお世話をきちんとしたいけれど、自分の身体もつらい。

葛藤しながら、無理をするとよけいにつらくなってきますよね。
風邪などの体調不良は、できる限り予防をすることが大切です。

育児や家事に必死で難しいこともありますが、充分な栄養を摂ること、適度に休息することが必要です。
こまめな手洗いやうがいは大原則です。

お部屋の環境は、ウィルスや細菌が嫌う加湿をしっかりとして、寒い季節には冷えないようにしましょう。
加湿器を使ったり、部屋の中に洗濯物を干したりすることで、湿度を保つことができます。

マスクは、飛沫感染を防ぐのと同時に、喉や鼻の加湿にも役立つのですよ。

まとめ

風邪をひいたときは、つらいものですね。
薬を飲みたいけれど、赤ちゃんへの影響も気になります。

でも、母乳をあげていても飲める薬があるんです。
あまり無理しすぎないように、治していけるといいですね。

授乳方法(授乳の仕方)

下記の授乳方法(授乳の仕方)のページで詳しく説明しています。

授乳方法(授乳の仕方)

2018.04.03

参考文献

  1. 国立成育医療研究センター/妊娠と薬情報センター/授乳中の薬の影響