おっぱいが出ない時の対処方法や母体への影響【看護師が解説】

0ヶ月赤ちゃん授乳

おっぱいは、赤ちゃんに乳首を吸われる刺激によって分泌される、ホルモンの働きにより出る仕組みとなっています。

このホルモンは、出産後まもなくは分泌量が少ないのですが、徐々に増えていきます。

そのため、産後数日はおっぱいが十分に出ないことも多いのです。

しかしおっぱいの出が悪いと、完全母乳での育児を考えていたママは、焦ってしまいますよね?

これから、おっぱいが作られる仕組みや、出ない時の対処方法、さらに母乳不足による影響についても詳しく解説します。

おっぱいが出ない時には

産後数日は、思うようにおっぱいが出ずに悩むことが多い時期です。

おっぱいが出ない場合、赤ちゃんとママにとってどのような影響があるのでしょうか?

また、そのようなときはどのように対処すべきなのでしょうか?
詳しくみていきましょう。

赤ちゃんの影響

おっぱいは、赤ちゃんの成長にとって欠かすことができないものです。

そのため、必要な量のおっぱいが出ないと、赤ちゃんは栄養不足になってしまいます。

栄養不足が続くと、赤ちゃんは低血糖状態となってしまうため、健やかな成長を脅かしかねません。

ママの影響

特に初めての育児の場合は、初めて体験することばかり、戸惑いや不安を感じるでしょう。

母乳の出が悪いと、ママは自分を責めてしまいがちです。

その気持ちは、おっぱいの分泌に関係するホルモンの働きを妨げることに加え、体調をも崩す原因となることもあります。

中には、赤ちゃんが上手に哺乳できないことによって母乳の出が悪くなることもあります。

上手に哺乳できない状態が続くと、乳腺内に残ったおっぱいに細菌が感染し、乳腺炎を起こす場合もあります。

おっぱい不足のサイン

おっぱいが不足している場合のサインを紹介します。

複数項目が当てはまる場合は、早めの対策が必要です。

  1. 授乳後の機嫌が悪い、泣き止まない
  2. 授乳間隔が短い
  3. おっぱいを加えている時間が長い
  4. おしっこの回数が少ない、量が少ない
  5. 便秘気味
  6. おっぱいを飲んだ後のミルクをたくさん飲む

おっぱいが足りない時は

おっぱいだけで足りないときは、ミルクを足すようにしましょう。

完全母乳で育てたいと思っているママにとって、ミルクを足すことに抵抗があるかもしれませんね?

しかし、大切なことは赤ちゃんの健やかな成長です。

赤ちゃんが十分な栄養を摂ることができることを、第一優先に考えましょう。

完全母乳に対するイメージ

おっぱいにはさまざまなメリットがあると言われています。

おっぱいに含まれる免疫細胞をもらうことができるため、病気になりにくい、アレルギーを起こしにくいなどがありますね。

さらに授乳によって愛着形成も促されると言われているため、完全母乳で育てたいと思うママは多いでしょう。

しかし、おっぱいが十分に出ないときは、それにこだわらずにミルクを足すという選択肢を選んでもいいのですよ。

おっぱいが出ない理由は

おっぱいの分泌量には、個人差や体質が関係していると言われています。

さらに、おっぱいを出にくくしている理由にはどのようなものがあるのでしょうか?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

おっぱいが出ない理由

おっぱいが出ない理由を紹介します。

  1. 出産後間もなくで、ホルモンが十分に分泌されていない
  2. 疲れやストレスにより、ホルモンバランスが乱れること
  3. 栄養不足によるもの

おっぱいの出が悪い時

産後、授乳することによっておっぱいが作られます。

時には、おっぱいの出が悪く「どうしてだろう?」と心配になってしまうこともありますよね?

おっぱいの出を悪くする原因をみてみましょう。

  1. 赤ちゃんの吸う力が弱い
  2. 授乳回数が適切でない、間隔が近い、間隔が空きすぎるなど
  3. 水分不足
  4. 栄養不足
  5. 睡眠不足
  6. 体の冷え

おっぱいが出る仕組み

0歳男の子授乳

おっぱいは、乳首を吸われる刺激とホルモンの働きによって分泌されます。

おっぱいが出る仕組みについて、妊娠中、出産後に分けて解説します。

妊娠中

妊娠すると、おっぱいを作る準備が始まります。

これは、プロラクチンとプロゲステロンの2つのホルモンの働きによるものです。

プロラクチンは、乳腺を発達させ、出産後に母乳を作り出す準備を整えます。

一方プロゲステロンには、おっぱいの分泌を抑制する働きがあります。

この2つのホルモンの働きによって、乳腺は発達するがおっぱいは出ないという状態になります。

出産後

出産後は、おっぱいの分泌を抑制していたプロゲステロンの分泌量が減り、代わりにオキシトシンが分泌されます。

このホルモンは、おっぱいを出すよう促す働きをします。

プロラクチンは、妊娠中から継続して分泌されています。

この2つのホルモンは、赤ちゃんが乳首を吸う刺激によって、分泌量が増加します。

つまり、授乳することによってホルモンの働きが活発となり、おっぱいが出るという仕組みです。

おっぱいの出ないときの家庭でできる対処方法

思うようにおっぱいが出ないと、気持ちばかり焦ってしまいますよね?

焦りや不安、ストレスは、ホルモンの分泌を抑制するため、さらに母乳が出にくくなるという悪循環に陥ってしまう恐れがあります。

家庭でできる対処方法を紹介します。

授乳間隔を見直す

授乳回数が少ない場合、おっぱいの量が少ない傾向にあると専門家が指摘しています。

おっぱいが十分に出ていないと感じたら、まずは授乳の回数を増やしましょう。

1日10回程度を目標とします。

授乳時間と吸わせる時の工夫をしましょう

1回の授乳は、片方5分程度としましょう。

毎回、左右両方から吸ってもらいます。

吸い残しがあると、おっぱいの分泌量が減少するばかりでなく、乳腺炎などの原因となります。

すべての乳腺を満遍なく吸ってもらうために、授乳時の赤ちゃんの体勢を変えるなど工夫しましょう。

乳輪までくわえていますか?

授乳の時に、赤ちゃんが乳首だけでなく、乳輪部まで深くくわえているかを確認してみましょう。

乳輪部にある乳管洞に、おっぱいが溜まります。

その部分までくわえて吸うことで、おっぱいの出がよくなりますよ。

締め付けの強い下着を避ける

きついブラジャーや服を、身につけていませんか?

締め付けが強いと血流が悪くなることによって、おっぱいの分泌が妨げられ、乳房の冷えを招きます。

締め付けのない下着や服を身に付けるようにしましょう。

乳房を温めましょう

おっぱいが出にくい場合、授乳前に蒸しタオルなどで乳房を温めると、出が良くなることがあります。

ただし、乳房の張りが強い時に温めると、張りが強くなったり、乳腺炎の原因となるので注意しましょう。

水分をしっかりと取りましょう

授乳中は、いつもより多めに水分を取ることを心がけましょう。

甘い飲み物やコーヒーなどカフェインが入ったものは控えます。
基本的には、水を取ることをお勧めします。

疲れやストレスを溜めない

ストレスや疲れ、睡眠不足は、おっぱいの出を悪くする原因となります。

赤ちゃんが寝たら、ママも一緒に休むようにしましょう。

家事や育児は、ママだけの役割ではありませんよ。

家族などにも手伝ってもらいましょう。

乳房マッサージをする

乳房マッサージは、乳房周りの血流をよくすることによって、おっぱいの出をよくするというものです。

産後に、助産師さんから教えてもらったというママも多いでしょう。

自分でのマッサージが大変という場合は、助産師さんに相談することをお勧めします。

お医者さんに相談してみる

さまざまな方法を試しても、おっぱいが思うように出ないということもあるでしょう。

そのような時は、母乳外来を行なっている医療機関や、助産院などを受診してみてはいかがですか?

おっぱい不足で受診するときは、基本的に健康保険は適応されません。

受診前に、住んでいる市町村で補助を出していないか、母乳外来にかかるお金はいくらなのかを確認しておくと安心ですね。

母乳外来とは?

母乳外来は、産婦人科や小児科などに併設されています。

ここは、母乳不足や乳房のトラブルなどの相談ができる場所です。

おっぱいが出ないことを一人で悩まず、助産師などの専門家に相談しましょう。

助産院とは?

助産院は、経験豊富な助産師さんが開業している施設です。

助産師さんは、出産や育児のエキスパートです。

乳房マッサージの方法や、おっぱいの出をよくするノウハウをたくさん持っていますよ。

まとめ

おっぱいは、赤ちゃんにとって栄養と免疫細胞をもらうことができる大切なものです。

しかし、十分におっぱいが出ないこともあります。

そのような時に、ママは自分を責めてしまいがちです。

1番大切なことは、おっぱいで育てることにこだわるのではなく、赤ちゃんが健康に成長することです。

赤ちゃんから母乳不足のサインを受け取ったら、まずはミルクを足してあげましょう。

それから母乳の出をよくする方法を試してみてはいかがでしょうか?