妊娠しやすい日とは?排卵日が妊娠しやすいとは限らない?【看護師が解説】

赤ちゃんがほしいと思っている方が、一番知りたいと思うことは、「妊娠しやすい日はいつか」ということでしょう。

これを説明することは、難しくはありませんが、実行するのは簡単ではありません。

でも、排卵日や生理の仕組みを知っていると、それだけ妊娠するのに有効的な日を推定できるのです。

ここでは、生理(月経)や排卵、基礎体温など、基本的なキーワードを示しながら、妊娠しやすい日をどうやって知ることができるのかをお話致します。

生理(月経)とは

個人差がありますが、女性は28-30日に一度生理(月経)があります。

生理が始まった初日を第1日目として、次の生理が始まるまでの期間を月経周期と呼びます。

月経周期には、ホルモンの働きによって、月経期、増殖期、排卵期、分泌期というように色々な時期に別れています。

女性の身体の中では、卵子のもととなる細胞の「卵胞」が、排卵に向かって大きくなっていきます。

1周期に数個から数十個ほどの卵胞が育ちます。

排卵とは

その卵胞のうちの1つが卵子を排出します。

これを「排卵」といいます。

卵胞から排出された卵子は、卵管を通って子宮を目指します。

精子と出会わず受精しなかった卵子は、子宮に到達しますが、月経のときに月経血と共に排出されます。

反対に、精子と出会って受精した卵子は、受精卵となり卵管を通って子宮へ到達します。

たいてい精子と卵子は、卵管で出会うとされています。

着床とは

子宮に到達した受精卵は、子宮の内膜に付いて内膜の中に入り込んでいきます。

これを「着床」といいます。

受精卵が着床して妊娠が成立するのです。

排卵された卵子は、12-24時間ほど卵管から子宮にどとまりますが、受精能力は、数時間と短いのです。

一方、精子は射精後数時間から受精可能となり、その後2-3日生存可能とされいます。

卵子と精子では、ずいぶんと生きている時間や受精能力がある時間が違うのですね。

以上のことから、妊娠の可能性を高めるには、排卵の3日ほど前から排卵の翌日までの4日間に集中して性行為を行うことが良いと考えられています。

排卵が始まる前に、精子が卵子を待ち受ける態勢にすることで、受精のタイミングが合いやすくなるのです。

ただ、受精のタイミング合っても妊娠するとは限りません。

受精しても、受精卵が子宮へ到達しなかったり、着床しなかったりなど、様々な要因によって、妊娠しないということもあるのです。

排卵日はいつ?

確実に排卵日を知る方法は、ありません。

しかし、次のことで推定することは可能です。

何も気にせずに妊娠することもありますが、特に赤ちゃんがほしいと願う方は排卵日の予測方法を知っておくことは、妊娠に一歩近づくことにつながるでしょう。

  1. 基礎体温
  2. 頸管粘液
  3. 排卵検査薬

それぞれについて説明しましょう。

基礎体温

普段の体温は、運動、食事、感情の起伏、基礎代謝などが影響しています。

基礎体温は、体温に影響を与えるような様々な条件を避けて測定した体温のことで、基礎代謝のみが反映されます。(参考文献1)

基礎体温は、起床したときの安静な状態で、基礎体温計を舌の下に入れて測ります。

トイレに行ったり、食べたりした後では、正確に基礎体温を測ることはできません。

基礎体温を記録すると、排卵がある場合は、低温相と高温相の2相性を示します。

低温相が高温相に移行する数日の間に、排卵が起こるとされています。

低温相が高温相に移行する前に、一旦ぐんと体温が下がる「体温の陥落」が起こるとされていますが、必ず起こるとは限りません。

また、この「体温の陥落」が排卵の印ではありません。

基礎体温からは、排卵日の特定はできないのです。

あくまで推定しかできないと理解してくださいね。

頚管粘液

頸管粘液とは、子宮頚管から分泌されるおりもののことです。

排卵が近づくと、エストロゲンというホルモンの変化によって、頚管粘液が増えてきます。

そして、無色透明なおりものを指に取って伸ばすと、10cm以上伸びます。

この排卵期前後の頚管粘液は、精子が子宮口を通るときに、子宮へ侵入しやすくする働きがあります。

排卵検査薬

排卵の前には、排卵を促すLHというホルモンの濃度が上がります。

排卵検査薬は、このLHの濃度が上がるタイミングを検知するように作られています。

市販されているもので、数種類の排卵検査薬があります。

検査方法はほぼ同じで、検査薬に尿をかけて数秒から数分待って、線が浮かび上がるものが多いです。

排卵検査薬にもよりますが、線が浮かび上がると、24時間-48時間以内に排卵すると予測されます。

でも、いつ排卵するか正確に知ることはできません。

誤解のないように

よく誤解されているようですが、「排卵日=妊娠しやすい日」ではありません。

排卵日は、月に一度です。

排卵された卵子が生きられるのは、約12-24時間です。

受精可能な時間は、約6-8時間でそれほど長くはありません。

精子の寿命は卵子よりもかなり長く、48-72時間と考えられています。

排卵するよりも前に精子を子宮に送り込み、排卵を待つ状態にしておくと有効だとされています。

でも、人間の身体は機械ではありません。

排卵がずれることもあります。

排卵日付近の性行為の回数を増やすことで、妊娠の可能性が高まることが考えられます。

体づくりのために

妊娠に向けて、身体作りをすることも大事です。

不摂生はよくありませんね。

食事や睡眠、適度な運動などを程よく取り入れていくとよいでしょう。

次に挙げるポイントを参考にしてくださいね。

  1. 食生活
  2. 睡眠
  3. 運動
  4. ストレスをためない

食生活

バランスのいい食事は、健康の第一歩です。

生活を見直すことは、妊娠することや胎児を育てることにも役立ちます。

嫌いなものを無理して食べなくてもいいのです。

その食べ物にかわるものを食べましょう。

そして、無理なダイエットは避けた方がいいですね。

身体に無理な負担がかかると、ホルモンの分泌が変わって排卵がなくなったり、生理が来なくなったりすることがあります。

食生活の見直しと共に、自分の適正体重を計算してみるのもいいですね。

BMIから算出し、低体重、標準、肥満などの判定ができます。

下記の計算式で計算します。

BMI=体重÷(身長×身長)

BMIの判定

  • 低体重 18.5未満
  • 標準 18.5以上25.0未満
  • 肥満 25.0

過度な飲酒、喫煙も控えた方が無難です。

適度な飲酒だと、楽しみもあり、睡眠にもよいと言われています。

でも、喫煙にはいいことは何もないとされています。

喫煙は、妊娠してからも胎児に低体重などの影響を及ぼすことがわかっています。

女性自身が喫煙していなくても、パートナーが喫煙している場合、副流煙の影響もあります。

赤ちゃんがほしいと願ったことを機会に、禁煙についても考えてみてはいかがでしょうか。

睡眠

充分な睡眠を取ることは、健康でいるための重要な要素です。

仕事で不規則な睡眠となる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、眠れるときに充分な睡眠を心がけていけるといいですね。

良質の睡眠がとれるように、寝る前2時間以内の食事は避けたり、寝る前のパソコンや携帯電話の使用は控えるなど、努力してできることがありますね。

運動

適度な運動も必要です。

血行が良くなると、それぞれの臓器に血液が運ばれて働きが良くなります。

子宮や卵巣も同じです。

自分が得意だったり、やってみたい運動があればチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

でも、激しい運動は避けたほうが良いでしょう。

「気持ちよかったな」で、終わるように運動の程度を考えてできるといいですね。

特別な運動でなくても、ウォーキングやストレッチなどでもいいのです。

自分の身体に無理のないようにしましょう。

ストレスをためない

普段、生活をしていて、ストレスを感じていない人はいないでしょう。

でも、ストレスをためてしまったり、うまく発散できいなかったりすると、脳がストレスへの対応に追われて、ホルモンバランスをコントロールするのが難しくなることがあります。

これでは、月経のサイクルが乱れたり、排卵しなかったりすることがあるなど、妊娠どころではなくなります。

ストレスは予防できないので、ストレスを受けても、うまく発散することができるといいですね。

まとめ

赤ちゃんがほしいとなると、排卵日が気になってしまいますね。

排卵日が一番妊娠しやすい日ではありません。

排卵前の3日前から排卵日の次の日までの間が、妊娠しやすい時期だと考えられています。

排卵日も確実に知る方法はありません。

推定でしかありませんが、複数の方法を組み合わせて、推定してみましょう。

義務感を感じることなく、リラックスした気持ちで、排卵日前後に性行為を楽しめるようになれるといいですね。

参考文献

1. 株式会社メディックメディア『病気がみえるvol.9 婦人科 第1版』P20