赤ちゃんの平熱や発熱について【看護師が解説】

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赤ちゃんを抱っこすると、温かく感じますよね?
赤ちゃんは、大人と比べて体温が1℃程高いと言われています。

大人であれば、37℃以上になると「熱が出た」と言いますが、赤ちゃんも同じなのでしょうか?
また、熱が出た場合は、どのように対処すればいいのか悩むこともあるでしょう。

これから赤ちゃんの平熱と発熱について、さらに正しい体温測定の方法についても詳しく解説してきます。

赤ちゃんの平熱は何度?

体温計

赤ちゃんの平熱は、大人に比べて高く36.5〜37.5℃であると言われています。
大人の平熱は高くても36.5℃程度で、37℃を超えると「熱がある」と言われます。

一方、赤ちゃんの場合は、37.5℃以上になると熱があると判断します。

しかし、赤ちゃんは熱があっても、いつもと変わりなく元気なことも多いでしょう。
そのため、受診するべきか迷うこともありますよね。

その場合は、熱以外にいつもと違う症状があるか、機嫌がよいかなどを総合的に判断する必要があります。

受診は必要?

0歳 赤ちゃん 病院

熱が出ると、大きな病気ではないか、すぐに受診すべきかどうか悩んだり心配になったりしますよね?

赤ちゃんの場合は、37.5℃以上になったら熱があると考えますが、それだけで判断せず、赤ちゃんの様子をしっかりと観察して受診が必要なのかどうかを見極めましょう。

受診が必要かどうかを判断するためには、日頃から赤ちゃんの様子をしっかりと観察することが重要です。
観察するポイントを、いくつかみていきましょう。

ぐったりしていませんか?

ぐったりしていて元気がないときは、受診が必要です。
また、機嫌が悪く泣き止まない、母乳やミルクを飲まないなど、いつもと違う症状があるときも受診をおすすめします。

しかし熱があっても、元気で機嫌も良い場合は、様子をみてもよいでしょう。

熱以外の症状はありませんか?

0歳 赤ちゃん 病院

下痢や嘔吐が続いていませんか?

それらの症状が頻回である場合は、脱水を起こす可能性が高くなるので注意が必要です。

皮膚に発疹は出ていませんか?

赤ちゃんがかかりやすい病気の中には、発熱とともに発疹が出るものが少なくありません。
熱に加えてこれらの症状がある場合は、いつから症状があるのかも答えられるよう準備し受診しましょう。

熱が出たらどうするの?

赤ちゃんの熱が高いと、熱さましを使うべきか悩みますよね?
熱さましを使うタイミングや、冷やすポイントについて紹介します。

母乳やミルクを与えましょう

4ヶ月男の子ミルク

母乳やミルクを飲むことができるときは、無理せず赤ちゃんが飲める分飲ませましょう。
熱が出ると汗もかきますよね。

体の小さい赤ちゃんは、大人に比べて脱水になりやすいと言えます。
可能な範囲内で構わないので、母乳やミルクを飲ませましょう。

熱さましを使うタイミングについて

熱さましの薬は、必ず病院から処方されたものを指示通りに使用しましょう。

熱があっても機嫌がよく水分も取れている場合は、熱さましを使用せず様子を見ても構いませんが、辛そうに見えるときは無理せず使用しましょう。

ただし、低体温や肝臓の機能障害を予防するため、使用間隔を十分に開けることが大切です。
また、熱さましの薬には病気を治す効果はなく、一時的に熱をさげる、痛みを軽減する働きのみであることも理解しておきましょう。

熱さましは、使ってから30分ほどで効果が出始め、4時間以上継続します。
しかし高熱の場合、薬を使用しても十分に下がらないこともあります。

病原菌に感染すると、体は熱を発生させて病原菌の増殖を防ごうとします。
つまり熱が出るのは、体の中に入り込んだ病原菌をやっつけようとする体の正常な働きなのです。

クーリングのポイント

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皮膚の近くに太い動脈が通っている部位を冷やすと、熱を下げる効果が期待できると言われています。
これをクーリングと言います。

しかし熱が出たら、いつでもクーリングを行えばいいというわけではありません。
クーリングを行うときは、冷やす部位とタイミングを守ることが大切です。

熱が上昇しているときは、寒気がしますよね?
その時にクーリングを行うのは逆効果です。

寒気がなくなるまでは、着衣を増やす、かけ布団を増やすなどして暖かくしましょう。
熱が上がりきると、寒気はなくなり、逆に暑く感じて汗をかくようになります。

その状態になったら、今度は体に熱がこもらないように対処します。
暑くないように着衣の枚数を減らし、嫌がらなければクーリングを行いましょう。

クーリングは、氷のうや熱さまし用のシートを使用して行います。
脇の下、足の付け根、首など皮膚の近くに大きな動脈が通っている部位に、氷のうや熱さまし用のシートを当てて冷やします。

ただし冷やしすぎると、凍傷になったり体温がさがりすぎたりすることがあるので注意が必要です。
冷えすぎないようにタオルを当てる、時間を見て外すなどの工夫をしましょう。

市販されている熱さまし用のシートは、簡単に使えるため便利ですよね?
このシートのジェル状の部分には、たくさんの水分が含まれています。

それが熱を吸収して蒸発することによって、熱を冷やす効果が得られます。

体温調節について

体温を調節しているのは、脳にある視床下部という部位です。
ここでは、体温を調節するための司令塔のような役割を果たし、体温を一定に保つように指示を出しています。

人間の体は、37℃前後に保たれるように調節されています。

熱が出る時

風邪やインフルエンザなど、病原菌やウイルスに感染すると熱が出ますよね。
これに対し、体は通常37℃に保っている体温を上昇させて対応しようとします。

すると、体から熱を逃がさないように血管を収縮させると同時に、筋肉などを震わせて熱を作り出そうとします。
これらの反応は、寒気や震えとして現れます。

寒気を感じているときは、着衣枚数を増やす、布団の枚数を増やすなどして温めてあげましょう。

病気が良くなり熱がさがる時

熱を出す原因が取り除かれると、高く保たれていた体温は元の37℃に戻ります。
まず、血管や汗腺を広げて、熱を体の外に出そうとします。

熱を作り出していた筋肉の収縮を解除して、熱を作り出さないようにします。
熱がさがる時に、汗をかくのはこれらの働きによるものです。

この時に大切なことは、発汗を妨げないようすること、汗をかいたらこまめに着替えをすること、水分を十分に取ることです。

正しい熱の計り方

赤ちゃんの熱は、脇の下か耳で測るのが一般的ですね。
最近は予測式の体温計が普及し、短時間で体温を測定することができるようになりました。

しかし、体温計の使い方を誤ると、誤差が生じて正確な体温を測定することができなくなってしまいます。
体温測定の注意点と、体温計の正しい使い方を学びましょう。

体温測定をする前に

体温は、外気温などさまざまなことによって影響を受けます。
室温や外気温など、赤ちゃんの周りの温度は高くありませんか?

服の枚数は適切ですか?
赤ちゃんの顔が赤くなったり、汗をかいたりしていませんか?

入浴後や食事の後、泣いた後も体温は高くなりますよ。
それは、大人に比べて赤ちゃんの体温調節機能が未熟であるためです。

そのため、室温や服の枚数によっても影響を受けやすいのです。
体温を測る前に、体温上昇の原因となるものを取り除き、少し時間をあけてから測ってみましょう。

脇の下で測る場合

脇の下は汗をかきやすい場所です。
体温測定をする前には、必ず汗を拭き取りましょう。

脇の下で体温測定をするときのポイントは2つあります。

1つ目のポイントは、体温計の差し込み方です。
脇の下で一番体温が高いのは、真ん中にあるくぼみです。

そこに向けて、体温計の温度表示が見えるような状態で、下から斜めに30〜45度の角度で押し上げるようにして差し込みます。

この時、服を着たままで首の方から体温計を入れて測ると、脇の下のくぼみに当たらないため、正しく測ることができません。
面倒でも上の方から差し込むのではなく、下から差し込むようにしましょう。

2つ目のポイントは、腕をしっかりとしめて測ることです。

脇の下は、口や耳の中と比べて体温は低めです。
加えて脇が開くことによって、熱が放散されて、さらに温度が低下してしまいます。

正しく体温を測るためには、脇をしっかりと密着させることが大切です。
しかし、赤ちゃんは自分の力で脇をしめることができません。

赤ちゃんの二の腕を優しく支え、脇の下を密着させるようにするとよいでしょう。

耳の中で測る場合

耳用の体温計は、鼓膜周辺の赤外線の量を測定することで体温を測っています。
耳の中は、脇の下に比べて体の深部に近いため、体温が高くなります。

耳用の体温計は、数秒で測ることができるものが多く、負担が少ないため赤ちゃん用としておすすめです。

これは耳に差し込むだけなので簡単に測れるように思われがちですが、実は正しい位置に挿入されないと正確な体温を測ることができないのです。

正しく測定するために、体温計の測定部がしっかりと鼓膜の方に向いている必要があります。

耳の穴の入り口から鼓膜までまっすぐになるように、耳の上を軽く引っ張りながら入れるのが正しく測るポイントです。

この時、無理やり押し込んで鼓膜や耳の中を傷つけないように注意しましょう。
また、耳の中が汚れていると正確に測定することができないため、耳垢をきれいに取り除く必要があります。

これらを守ることによって、短時間で正しく体温測定をすることができますよ。

体温計の種類

体温計には、実測式と予測式の2種類があります。
それぞれに特徴があり、測定方法も違いがあります。

それらを踏まえて使用することにより、正しく体温測定をすることができます。

実測式の特徴

体温測定を開始すると、徐々に温度が上昇していきます。
しかし、ある温度に達すると、それ以上の上昇がみられなくなる温度があります。

この温度を平衡温と言います。
古くから使われている水銀式体温計などは、時間をかけて平衡温を実際に測定するものです。

脇の下の場合は10分以上、口の中では5分以上かけることで平衡温を測定することができます。
測定に時間がかかりますが、ほぼ正確な体温を測定することができるメリットがあります。

しかし、赤ちゃんは体温測定のために同じ姿勢を保ち続けることが難しいため、不向きであると言えるでしょう。

予測式の特徴

予測式の体温計は、実測式の体温計の時間がかかるというデメリットを解消するために開発されました。

たくさんの体温上昇のデータをもとに、平衡温を予想して体温を測定するものです。

実際に測定しているのではないため多少の誤差は生じますが、短時間で測ることができるため、赤ちゃんの体温測定にはこちらが向いています。

まとめ

熱が出ると、ママは心配になり、早く熱をさげてあげたいと思うでしょう。
しかし、大人より平熱が高いため、37.5℃以上になっても元気なことも多いものです。

熱が出たらすぐ受診!ではなく、熱以外の症状はないか、赤ちゃんの様子はどうかをしっかりと観察して判断する必要があります。

また、日頃から赤ちゃんの様子を観察し、平熱を把握しておくことも必要なことです。
赤ちゃんの発熱の原因は、病気だけではなく、室温が高いことや入浴後などが関係していることもあります。

まずは、慌てずに体温を上昇させている原因となるものがないかを確認しましょう。
ただし、ぐったりとして元気がない、機嫌が悪い、母乳やミルクを飲む量が少ないなどいつもと違う場合は受診が必要となります。

受診する時は、いつからどのような症状があるのかを答えられるように準備しておきましょう。