【看護師が解説】赤ちゃんの便秘の見分け方と対処方法について

生まれたばかりの赤ちゃんは、1日に何度もうんちが出ると言われていますね。しかし、うんちの回数や柔らかさなどは個人差が大きく、赤ちゃん一人ひとり違います。それは消化機能が未熟であることや、筋肉が十分発達していないためなのです。赤ちゃんの便秘や対処方法、さらに心配な便秘について詳しく見ていきましょう。

赤ちゃんは一日何回うんちが出るの?

一般的に生後3ヶ月までの赤ちゃんは、1日に何度も水っぽいうんちが出ると言われています。
しかし、授乳のたびにうんちが出る赤ちゃんや、逆に1日に1、2回と少ない赤ちゃんもいるのです。

それは、消化機能や筋肉が十分発達していないため。赤ちゃんの成長とともに、消化機能や筋肉も発達していきます。
うんちの回数が減ったり、だんだん形のあるうんちへと変化したりしていくのです。

つまり、1日にうんちが何度も出るのが正常というわけではなく、何回以下なら異常ということわけでもないのです。

消化機能が発達すると、水っぽかったうんちがドロドロになり、徐々に形があるうんちへと変化していきます。

さらに離乳食が開始になるとうんちの状態は変化します。食べたものを消化しきれない場合はそのまま出たり、柔らかいうんちになったり、逆に硬くなったりします。離乳食は、赤ちゃんのうんちの状態や体調に合わせて進めていくことが大切です。

便秘かどうか見分けるポイント

うんちの回数が少ないと「便秘なのでは?」と心配になってしまいますよね?
それでは、赤ちゃんにとってどのような状態が便秘であると言えるのでしょう。

一般的には、3〜5日以上うんちが出ず、機嫌が悪い、お腹が張っているなどの症状がある場合は便秘であると考えられます。うんちの回数のほか、注目すべき観察ポイントを見ていきましょう。

赤ちゃんの機嫌はどうですか?

いつもよりうんちの回数が少なくても、赤ちゃんの機嫌がよければ様子を見てもよいと言えます。お腹にうんちがたまって苦しくなると、ぐずったり寝つきが悪くなったり、機嫌が悪くなることもあります。

お腹の張りはどうですか?

一般的に赤ちゃんのお腹は、ポッコリと膨らんでいますが、触ってみると柔らかいことがわかりますね。しかし、うんちがたまったお腹は、いつもより張りがあって固く感じられることもあるでしょう。

おっぱいやミルクを飲んでいますか?吐きませんか?

お腹にうんちがたまると、おっぱいやミルクを飲む量が減少することがあります。それは、うんちが邪魔をして胃が膨らむことができないためです。また、赤ちゃんの胃や腸は未熟であるため、飲んだおっぱいやミルクを戻してしまうこともあります。

おならは出ていますか?

おならが出ているということは、腸が動いている証拠。しかし便秘で腸の動きが悪くなると、おならが出にくくなってしまいます。

これらの赤ちゃんが発するサインを見逃さないことは大切なことです。便秘かなと思った時は、うんちの回数だけにこだわらず、赤ちゃんの機嫌や飲み方、お腹の様子などを総合的に見て判断しましょう。

便秘で受診してもいいの?

うんちが出ず赤ちゃんが苦しそうにしていて、さらに解消方法を試しても改善が見られず、下記の症状があるときは受診することをお勧めします。

  • 機嫌が悪い。ぐずる。
  • お腹が張っている。
  • いつもに比べて飲むが少ない。飲んだものを吐く。
  • うんちの時に痛がる。うんちに血が混じる。

便秘の解消方法について

うんちの回数が減って苦しそうにしている時に、試して欲しい方法を紹介します。ただし、おっぱいやミルクを飲んだ直後は、吐きやすくなるため控えましょう。

お腹のマッサージをしてみましょう。

へその周りや下腹部を中心に、マッサージをしてみましょう。うんちの通り道である大腸は、右の下腹から始まり、へそのあたり、左のお腹へと続き、最終的に肛門へとつながっています。それに沿って「のの字」にマッサージすると便秘の解消に役立ちます。

赤ちゃんのお腹はデリケートです。温かい手で優しくマッサージすることを心がけましょう。ベビークリームやベビーオイルをつけて、滑りを良くしてからマッサージすると皮膚への負担も軽減します。

手のひら全体を使って、のの字を書くようにマッサージします。この時、赤ちゃんのお腹が少し凹むくらいの力でマッサージすると効果的です。赤ちゃんに話しかけ、様子を観察しながら2、3回マッサージしましょう。

マッサージをしてもすぐにうんちが出ないこともあります。しかし、マッサージしたことによってお腹の動きは促されているはず。焦らずに様子をみましょう。

綿棒浣腸をしてみましょう。

うんちが出ず、機嫌が悪い、飲む量が少ないなどの症状がある場合は、綿棒浣腸を試してみましょう。これは、肛門に刺激を与えることでうんちを促すことが目的です。

綿棒にたっぷりとベビーオイルやベビークリームをつけて滑りを良くします。肛門や腸に傷をつけないように優しく行いましょう。肛門に綿棒の先を1㎝程度挿入し、円を書くように2、3回クルクルと回します。

綿棒浣腸は、イチジク浣腸などのように薬によって排便を促すものとは違い、肛門を刺激して排便を促すことが目的です。ただし、うんちが出ない、回数が少ないというだけで行うことはお勧めできません。うんちの回数だけ注目するのではなく、他の症状など赤ちゃんが発するサインも考慮して行うことが大切です。

足の曲げ伸ばしの運動をしてみましょう。

足の曲げ伸ばし運動は、お腹に刺激を与え腸の動きを活発にする効果が得られます。

両方の足首を持ち、片足を伸ばし、もう片方は縮めるようにします。これを交互に行います。
「1、2、1、2」など声をかけながら楽しい雰囲気で行うと、赤ちゃんとのコミュニケーションの時間にもなります。
これは便秘の時に限らず、毎日の入浴後やおむつ交換の時にも行うとよいでしょう。

心配な便秘とは?

便秘は心配のないものがほとんどですが、中には便秘が症状の一つである心配な病気があります。
「腸重積症」と「ヒルシュプルング病」の2つについて解説します。

腸重積症とは?

腸重積症は、小腸が大腸の中に入り込んでしまう病気です。腸が重なることで血液の流れが悪くなって、腸の組織に血液が行きわたらず死んでしまいます。そのため、異常をなるべく早く発見して治療を開始する必要があるのです。この病気が起こる原因は様々ありますが、風邪など身近な感染により、腸の壁にあるリンパ節が腫れることも原因の一つと言われているため注意が必要です。

赤ちゃんが急にぐったりする、機嫌が悪くなるなどいつもと違う様子に加え、うんちが出なくなったり血が混じったり、さらには吐いたりするようになります。それに伴い顔色が悪くなることもあります。このような症状が現れた場合は、なるべく早く受診するようにしましょう。

腸重積症とは?

小腸や大腸などの消化管の働きを制御している神経が、生まれつきないため消化機能がうまく働かない病気です。そのため便秘を起こしたり、腸の組織が死んだり腸に穴が空いたりしてしまうこともあります。

この病気の治療は、神経のない部分の腸を切り取る手術が行われます。生まれつき便秘がちでお腹の張りが強い、おっぱいやミルクを飲んでも吐いてしまうなどの症状が続くときは受診するようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんのうんちの状態は個人差が大きいため、うんちの回数が少なくても機嫌がよく、おっぱいやミルクを飲んでいる場合は様子を見てもよいでしょう。ウンチが出ないと心配になりますが、うんちの回数だけにとらわれず、赤ちゃんの様子も合わせて判断しましょう。

うんちの回数が少なく機嫌が悪い、お腹が張っているなどの症状がある場合は、お腹のマッサージや綿棒浣腸を試してみましょう。すぐに効果が現れなくても、お腹の動きは促されたはずです。しかし、その後もうんちが出ず、機嫌が悪く飲む量が少ない、吐くなどの症状が続く場合は受診をお勧めします。